すごい!指を追いかけてる!イギリス中から ヒメアカタテハの目撃情報が集まってきています。 イギリスではおめかしした貴婦人と呼ばれるヒメアカタテハ。 世界中に広く分布するヒメアカタテハは最も成功したチョウの一種といえます。 寄生バチは小さなハチなんですがヒメアカタテハの幼虫であるイモムシを探しその体の中に卵を産み付けるんです。 私の計算では ヒメアカタテハの幼虫のおよそ6割から7割がこの寄生バチに殺されています。
イモムシの内部に潜む寄生バチがヒメアカタテハの渡りにおいて重要なカギになるかもしれないからです。 幼虫も成虫も捕まえたしここの研究所の科学者たちは樽と糊とコンピューターそして ヒメアカタテハを使ってその謎を解明しようとしています。 データを分析する事でヒメアカタテハが自然界で飛んでいた時に取ったであろう飛行経路を導き出す事ができます。 ヒメアカタテハの渡りにおいて太陽がまるで衛星ナビゲーションのような役割を果たしていた事が分かりましたよね。
ここにある箱だけでも40か国分のヒメアカタテハの標本が並んでいます。 ここに知られている中で最古のヒメアカタテハの標本が保管されています。 確かにヒメアカタテハですね。 イギリス ロザムステッド研究所では2016年のヒメアカタテハの渡りを追跡しています。 3月冬の繁殖期の終わりとともにモロッコから移動を始めたヒメアカタテハは現在 スペイン北東部カタルーニャ州に降り立っています。
繁殖した寄生バチが また新たにヒメアカタテハの幼虫に寄生し卵を産み付ける事を考えるとヒメアカタテハの絶滅のリスクはかなり高いでしょう。 寄生バチにとってはヒメアカタテハの繁殖時期は卵を産み付けるのに好都合です。 ステファネスク博士は このハチがヒメアカタテハの渡りに関する重要なカギを握っていると考えています。 ご覧のように 緑が生い茂り花が咲き乱れそれが長距離に及ぶヒメアカタテハの渡りの戦略なんです。
では ヒメアカタテハがイギリスに到着した事を探知する方法はあるのでしょうか。 昆虫は種によって飛行高度が異なりますがヒメアカタテハだと判断するには高度以外にも理由が必要です。 これだけの高度で この時期に集団で北へ向かうチョウはヒメアカタテハだけです。 向かっている方角ごとに夏の日ざしが降り注ぐイギリスはいまやヒメアカタテハに ぴったりの環境です。 イギリス中で ヒメアカタテハが見られるようになりました。 この時期のヒメアカタテハは冬に北アフリカから直接やってきたのとは異なる世代です。