古典芸能への招待 綱太夫五十回忌追善・織太夫襲名披露口上、文楽「摂州合邦辻」

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この番組のまとめ

♪~八代目竹本綱太夫五十回忌追善六代目竹本織太夫襲名披露口上と追善・襲名披露狂言「摂州合邦」を お送りします。 口跡ご免 お許しを被りましてただいまより 八代目 竹本綱太夫五十回忌追善ならびに 豊竹咲甫太夫改め六代目 竹本織太夫襲名ご披露おかげをもちまして当公演 初日より連日 各賑々しく満場にご来場賜り関係者一同厚く御礼を申し上げ奉りまする。

見れば 新しい戒名も張ってあれど炬燵の櫓や 焙爐のやうな何じゃ こう四角な字ばかりで一つも読めねど このやうにうまい事 拵えて講中を呼ばしゃるからはどうで 身内の仏でござらう誰ぢゃ知らぬが 頓生菩提」「ヤコレ 合邦殿志の仏があると聞いたゆゑ今夜の念仏はわれ一と精出したでいつもと違うて 夜食も格別麦飯に とろろ汁しゃりしゃり 仏にならしゃろ」と 云ふも馳走の追従口主 合邦 取りつくろひそれで 戒名も手作りで大入妙若大姉と付けて置いた「久しう顔も見ず 死に目にさへも得逢はぬ むごい別れ「オット あるある こぼ

しんたる恋の道には暗からねども気は烏羽玉の玉手御前忍びかねたる頬かむり包み隠せし親里も馴れし故郷の門の口ご両所の御行方こことは聞けど奥方の姿見るより様子もとかくとは知らで玉手御前と呼ぶは 確かに娘の声「ヤア わりゃ まだ死なぬか殺さりゃせぬか」と 叩く戸の音聞き咎めハテ 合点のいかぬ」肌は触れても触れいでもわが子に不義をしかけた畜生侍の身で 高安殿が助けて置かしゃろ様なければある事知って 娘が手から度々の合力金二人が命を養ふたはみな 高安殿のご厚恩が 今もの云うたが娘なりゃそれこそ幽霊もしや恐しいものであ

道理でござんすガ これには 深い様子のある事物語るうちこの刀必ず抜いて「様子といふは他でもなく外威腹の次郎丸様年かさに生れながら後に生れた俊徳様に家督継がすを無念に思ひ推量ばかりか委しい様子立聞きしてヤ南無三宝次郎丸様の悪心も自然と止んでお命に別条ないと思案を心にもない不義いたづら云ふも うるさや 穢らはしい身をも放さぬ コレ この盃わが夫 通俊様根が賤しい女ゆゑ見損うた いたずら者とおさげしみを受けるのがと 云へど合邦 あざ笑ひ「それほど知れた次郎丸が悪事ナナナ なぜ通俊様へ告げぬぞいたった一口云ひさへ