これまでに発見された初期の人類の化石は進化の空白を少しずつ埋めてきました。 とはいえ 人が進化してきた何百万年もの時間に比べればあの洞窟にこれまでに発見された中でも特に貴重な人類の骨が横たわっていたんです。 南アフリカ ヨハネスブルクの北西に位置するエリアは人類の揺りかごと呼ばれています。 1930年代から40年代にかけてここで発掘された化石が人類進化の謎を解く重要な手がかりとなりました。 発見された骨が人類進化の謎に包まれた部分に光を当てるかもしれません。
発掘調査の準備はスピーディーに進みましたが一つ大きな問題がありました。 スリムな体型で閉所恐怖症ではない科学者。 古人類学かその関連分野の科学者考古学者なのでハードルは低いと思いました。 進化生体力学が専門なので古人類学は身近な分野です。 発掘調査が簡単に進むとは思っていませんでした。 彼女たちも私も恐怖心を拭いきれなかったので実際に洞窟の中で安全確認のテストを行いました。 先発隊はエリオット ペイショート モリスの3人です。
最初にタッカーとハンターが撮影した写真を見てバーガーはアウストラロピテクスの骨だろうと推測していました。 アウストラロピテクスの大きな特徴は類人猿に似た大きな顎と歯です。 ライジングスター洞窟で発見された顎の骨はアウストラロピテクスのものにしては小さすぎ。 ライジングスター洞窟で発見された下顎はもっと曲線状で ホモ・ハビリスともアウストラロピテクスとも違いました。 大たい部と腰の骨から二足歩行ではあるもののしかしそれは ヒト属と アウストラロピテクスどちらに近いのでしょうか。
頭蓋骨の形状を見る事でアウストラロピテクスに近いのかヒト属に近いのかその中間なのかが分かります。 頭蓋骨の周りにある 骨のかけらを根気良く取り除きます。 その部分が小さく 頭蓋骨が丸みを帯びていれば ヒト属です。 老若男女さまざまな ヒト属の新種の骨を複数発見したと。 後期のアウストラロピテクスから初期のヒト属へと移行する過程にあたります。 まだ貴重な化石が眠っているあの空間はディナレディ星の部屋と呼ぶ事にしました。 ホモ・ナレディには類人猿とヒト属の特徴が混在しています。