100分de名著 カミュ“ペスト” 第1回「不条理の哲学」

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この番組のまとめ

♪~「100分de名著」 司会の…今月は フランス文学の傑作アルベール・カミュの「ペスト」を取り上げます。 フランス文学者の中条省平さんです。 東日本大震災のあとに「ペスト」を読み返し「ママン」って何の事か分かんないですけれどもただ 何となくフランス文学的なかっこよさみたいなものを感じてまず ガツンときまして。 カミュは そういうペストによって膨大な死者が出るという事を不条理が人間を襲う 典型的な例だというふうに考えたわけですね。

それから もう一つは登場人物たちがまだ 何かが起こり始めてる時にその実態になかなか気付いていないっていう事がありますよね。 アルジェリアを支配してるフランスにとってアルジェリアは 何かっていうと要するに 金もうけの場所です。 ですから そこでは 一般的に経済中心主義的な気風がみなぎっていて金もうけて なんぼというような気持ちがあるわけですねみんな 住民の中に。 さあ では 主な登場人物を次に紹介しましょう。 下級役人で小説を書いている……という人物が主な登場人物として出てくるんですね。

それから もう一つはカミュは もともと…かなりペシミスティックな世界観人間観の持ち主なんですね。 ところが 事が一旦ペストのような事が起こると果たして 自分が生きているこの世界は何かとかだから ペストによって……という事を強調するためにここでも やはり「追放状態」という言葉を使ってるわけですね。