日曜美術館「生々流転~横山大観が目指したもの〜」

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この番組のまとめ

明治元年に生まれ大正時代に認められ昭和には 巨匠の地位を不動のものにした大観。 今回は 東京国立近代美術館で開催されている横山大観展に お邪魔しました。 高橋さんは 横山大観どういうところがお好きなんですか?大観の事が分かったら 何か分かるような気がするっていうそういう対象ですね。 さあ そして鶴見さん今回の展覧会どんなところを見てほしいと思ってらっしゃいますか?横山大観は今では大家だったり巨匠だったりとして有名なんですけれども若い頃 よく言われていたのが「奇想天外の画家」という言われ方をしてたんですね。

アメリカで見た ナイアガラと中国で見た万里の長城を対にして金屏風に描いてしまう。 明治43年にハレー彗星が来ていますからそれを大観は見てるんですね。 その時の彗星は地球に大接近したので夜空を見上げると半分ぐらいは尾を引いていたと。 オーソドックスな水墨の技法をこの新奇な彗星という画題に白い 胡粉という絵の具を使って丸く塗っています。 そういうオーソドックスな技法を使って誰も やった事のないかもしれない星空を描いている。 その辺はさ明治第一世代っぽいですよね。

そんな横山大観が 明治の終わりに描いたのが こちら。 その赤褐色の粗い粒子を大胆な筆致で描いた事で聴覚的に訴えかけるようなガサガサというそういうものを表現している。 漱石は この絵に大観の個性を見たのです。 大観の個性に ようやく時代が追いついたのです。 墨は 非常に こだわりましてねやはり 日本画家は究極は水墨画を描きたいと。 日本美術院の…まず 描く部分にたっぷりと水を引きます。 そこは大観見せ方は お手のもの。 芸達者な大観の神髄がここにあります。

例えば この松っていうのを国民の一人一人になって頭を垂れようと思わなくても昭和5年 ローマで大々的な日本美術展を開催。 万歳! 万歳!それは 神武天皇即位から大観もこの年を祝う展覧会を開催。 「生々流転」みたいに ああいう大観の生々しいものを見てると「あれ? あの大観はどこにいったの?」みたいな。 まあ 僕らの言葉で言うと戦争協力ですけれどもでも 当時の日本人にとっては圧倒的多数の日本人にとってはいい事してる。 この作品は戦後 昭和27年のあのサンフランシスコ講和条約が発効した年に描かれた作品です。