東の青竜 西の白虎 南の朱雀に北の玄武。 この空想の獣を四方の守り神に致しましてまあ 国土安穏 また 氏子の健康を祈ったようでございますが年番預けになってたといいますので 今年 町内の甲の町内が預かれば来年は 乙の町内が預かる。 このように 獣と同じようにそれぞれ色分けをしまして国を守るという事があるそうですが この座布団も私は 綿止めかと思ったら これ綿止めではなくて やはりこれも四方を守るという意味があるようでございますね。
「へえ おら あの~百兵衛っちゃっす」。 「百兵衛っちゃっす」。 「ひゃくべっちゃす…?ああ 百兵衛さん!アッハッハ そうですか。 そこへ百兵衛さんが来るなんてえのは縁があって面白いね。 あっ あの~百兵衛さんっていったね。 また 私がねえ座敷出るってえのもこれも 法にない事なんだがねお前さん 来て早速ですまないがちょいと お二階 行って 御用を伺ってきてもらえるかな?伺ってくりゃあいいんだ。 おら あの… 百兵衛っちゃっす。
おう 座布団 持ってこい 座布団。 で 今更 帳面持って町内 ペコペコ頭下げて金 集める。 なっ来年一年の辛抱だからってんであれを伊勢屋の方へ ぐにゃっとまげまして… ヘッヘッヘッ。 お前 さっきから そこで金団 食ってやがったろう?人が酒飲んでる脇でもって『甘味は乙だ 甘味は乙だ』って金団 ペロッペロ ペロッペロなめて…。 礼儀知らねえ野郎…。 金団を 箸で挟んでから 何で 小皿探すの?餡が ボタボタ ボタボタ 落ちる…箸をなめるな 箸を!なめるんだったら横になめろ ばか野郎。
じゃあ いっその事こっちから何とも言ってかねえもんで心配して 隣町から四神剣の掛け合いに来たんでえ」。 「今のやつが? 四神剣…」。 『私は四神剣の掛け合い人だがご一統様 ご相談ぶってご返答伺って まかり帰りてえ』」。 「本当か? だったらなにも 慈姑の金団 丸のむ…」。 向こうが 何か言いそうになったから 『まあ おまはん今日は 何か言いてえ事あろうけど今日のところは…』この具合と慈姑をうめえ事 引っ掛けてよ『おのみ込み頂く訳にまいりませんか?』。
「何だあ?てめえ ここの奉公人か!?この野郎いい加減な事 言いやがって!何が 四神剣の掛け合い人だよ!そうじゃねえ。 「河岸の若い者が 袈裟がけに4~5人斬られた!?しばらく お待ちを!先生 百川から 使いが参り河岸の若い者が 袈裟がけに4~5人斬られたという…」。 焼酎を一升 白布を5~6反鶏卵を20ばかり用意するように。 先生 すぐお見舞い申す。 それでな手遅れになるといかんでな焼酎を一升 白布を5~6反鶏卵… これは 卵だ。 先生 すぐ お見舞い申す」。 「へえ 先生 すぐお見舞い申すっちゃした」。