シャネルは少年のような女性のイメージをファッションを通じて形にして見せました。 シャネルもスキャパレリも短気でした。 スキャパレリのセーターへの熱狂は前の年にシャネルが発表した時代の息吹を象徴する画期的な出来事でした。 多くの女性の悲しみを受け止めたという点でリトルブラックドレスはファッションの歴史の中で考えても勇気と自立の象徴となりました。 スキャパレリの台頭が シャネルをいら立たせるようになります。 シャネルは スキャパレリが貴族階級出身だという事が妬ましかったのでしょう。
第１次世界大戦が始まった １９１４年スキャパレリは ロンドンに住んでいました。 男性は 熱く語りその日のうちに スキャパレリはその人と婚約していました。 その後 エルザ・スキャパレリは娘とともに捨てられ一文無しになります。 シャネルは 辛辣な口調でスキャパレリをイタリア人と呼びスキャパレリは シャネルを帽子職人と呼びました。 シャネルも スキャパレリも 芸術家たちと交わるようになります。 スキャパレリを 芸術家の集まりにいざなったのはガブリエルと スキャパレリは長きにわたり助け合っていく事になります。
コクトーはシャネルの親友ではありましたがライバルである スキャパレリの創造性にも引かれていました。 スキャパレリは ダリの写真に触発されイブニングドレスにロブスターを描くよう頼みました。 これは もともと シンプソン夫人を顧客にしていたシャネルにとってスキャパレリとダリはユーモアが好きでした。 しかし とりわけスキャパレリを象徴するのがショッキングピンクです。 こうした奇抜さをシャネルは嫌いますがスキャパレリに対抗するために自分が大切にする堅実さは脇に置いてやや奇抜なイブニングドレスのデザインを試みます。
シャネルが スキャパレリのドレスを偶然 キャンドルに近づけ火をつけてしまったというのです。 ココ・シャネルとエルザ・スキャパレリに目をつけます。 スキャパレリの方が ハリウッドで成功した理由は そこにあると思います。 セックスシンボルと呼ばれたメイ・ウェストまでがスキャパレリの衣装を着たいと望みました。 一方 スキャパレリのコレクションは芸術作品であり多くの人の手がかかっています。 テーマがあるコレクションを初めて実施したのが スキャパレリです。
現金持ち帰りコレクションは急いでいる時や 仕事中にスキャパレリはアメリカに行く事を決意します。 イギリスの情報機関はイギリス国内での香水の売上金がスキャパレリは フランスのレジスタンスからも疑いの目を向けられました。 スキャパレリがアメリカで楽しい時を過ごしおいしいものを食べ暖かい場所で眠っていた頃パリの人々には 車もなく十分な食べ物も暖房もなかった。 パリ中が シャネルのカムバックの話題で持ちきりになる中スキャパレリが最後のコレクションを発表します。