古典芸能への招待 高麗屋三代襲名披露「口上」・歌舞伎「勧進帳」

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この番組のまとめ

スタジオには 松本幸四郎さんそして 市川染五郎さん三代で襲名披露興行をさせて頂きましてそれから 名古屋 博多 大阪と全国を回らせて頂いてますけど。 そして 染五郎さんも襲名という事で1月2月続けて歌舞伎座の襲名披露興行にご出演されました。 やはり その口上でご披露のご挨拶をさせて頂くという 本当に大事な大事なそして 襲名披露興行でないと口上というのはありませんので本当に特別な一つの時間でありますし。

その ご襲名の御三代の方々はもとより 高麗屋さんのご一門のますますのご繁栄を心よりお祈り申し上げまする次第にござりまする。 高麗屋さん三代のご襲名はご一門は もちろんの事この 歌舞伎界にとりましてもまことに めでたき事と私も 心よりお喜びを申し上げる次第にございます。

新染五郎さんと「盛綱陣屋」というお芝居で ご一緒致しましたがそれはそれはこせこせとしたところのないおおらかな いい子役さんでした。 その金太郎さんが暁星の小学校は 級長 副級長は制服に金筋の腕章をつけておりまして中学生の時 小学校へ遊びに行きましたところその金筋の腕章をキラキラさせて運動場を走り回っている人見た事があるなと思いましたら新白鸚さん… 染五郎さんでございまして「ああ 染五郎さんはお芝居だけではなく勉強の方も優等生なんだ」と感心した事がございます。

この度 松竹株式会社様のお勧め諸先輩のお許し関係各位のご賛同を得まして父の前名 松本幸四郎の名跡を十代目として襲名致す運びと当年は 歌舞伎座130年という記念の年に当たりまするその幕開けに 諸先輩 同輩 後輩に一座頂きまして夜の部では この後ご覧頂きまする「勧進帳」におきまして叔父 吉右衛門のおじ様に富樫左衛門に お出まし頂き歌六のお兄さん鴈治郎のお兄さん芝翫のお兄さん 愛之助さんに四天王をお務め頂いて芸道未熟 不鍛錬にはござりまするが自分の務めまする芸が歌舞伎のため 歌舞伎の力となりまする事を信じまして

「弁慶をやるために歌舞伎俳優になったんだ」みたいな事をよく あちこちでおっしゃってるのを…。 お聞きしますがやはり 特別な役なんですか?「勧進帳」の弁慶というものに出会った事によって本当に歌舞伎というものに対する興味と憧れというのが出来てまあ 当然のようにそこに飛び込んでいったという感じですね。 どんなところでしょうか?歌舞伎作品としてはとても特殊な作品なんですよねよく考えてみると。 ですので転換も見せるようなものが歌舞伎の一つの魅力でありますけど一切ない 松羽目という舞台でやるという事。

とても特殊なお芝居なんですけれどもでも それが何か歌舞伎の代名詞的に歌舞伎の代表作的になってるというところがこの「勧進帳」の不思議な魅力ではないかと思います。 今日ご覧頂くのは1月の歌舞伎座での公演でしたけれども富樫の役が中村吉右衛門さん四天王も豪華な顔ぶれという事でどのような気持ちで 皆さんとおつとめになられたんでしょうか。 でも あの…一番いい義経を目指してまあ 今までは その弁慶が好きで「勧進帳」見てたので富樫が弁慶の主君を思う気持ちに打たれる。

アアラむずかしの問答無用言語道断 かかる不詳のあるべきやこの上は力及ばず 夫れ山伏といっぱ 役の優婆塞の行儀を受け 熊野権現の御罰当たらん事 たちどころに於いて疑いあるべからずさきに承れば 南都東大寺の勧進と仰せありしが勧進帳御所持なき事はよもあらじ。 現世愛民の慈愍を垂れ或いは難行苦行の功を積み悪霊亡魂を成仏得脱させ日月晴明 天下泰平の祈祷を修すしかるが故に内には慈悲の徳を納め百八の珠数に仏道の利益を現す。