日本の話芸 桂南光 落語「質屋蔵」

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この番組のまとめ

南光でございますがね「質屋蔵」という これは質屋さんが舞台なんでございますがこのですね 質屋の三番蔵。 この質屋という商売は因果な稼業じゃな。 その日の暮らしに困るお方には随分と役に立つ結構な商売やとは思うてますがな人間というのは まことにまあ 思わず知らず人の恨みというものを買うてないとは言えんのがこの質屋という稼業じゃな」。 大きな風呂敷包みを背たろうてやって来る。 相手は商売人やで?繻子の帯へ目が走ったんを見逃すはずがない。 内職で 仕立物して25銭もろうたら その5銭を竹の筒へ コロコロストン。

毎日のおかず 始末して 3銭を竹の筒へ コロコロストン。 1合3銭5厘のやつを3銭のやつにして1銭を竹の筒へ コロコロストン。 そないして 一生懸命 ためて節季前に ポ~ン 2つに割って勘定してみたら 94銭とまだ 6銭 足らんわ。

どこの誰と けんかしてもね廊下におりますのはでっちの亀吉でございますが先ほどからの話は何も聞いてはおりませんのでどうぞ ご安心を」。 お前さん そんなとこで主人と番頭どんが大事な話 してんの立ち聞いてたんやな?なんという行儀じゃ! ん?このごろ お前さん… え?いっぺん 改めて ガツンと言わないかんな。 熊五郎 じきに呼んできなはれ。 「あのね うちの旦さんがね『熊五郎 じきに呼んでこい!何があっても呼んでこ~い!』ってね えらい怒ってはりますわ」。

ふっと思いましてね毎日 2合ずつもらうのも先にまとめて頂戴するのもおんなじこっちゃないかとこない思いましてなちょうど 大八車引いとりましたもんですさかいそれ 1丁 載せましてガ~ラガラ」。 あのな 熊はん今日 呼んだんはななにも そういう事で小言を言おうと思うてお前さんを呼んだんと違いますのや」。 その強いところを見込んで頼みがあるというのがうちのな あの三番蔵じゃ」。 「えっ? 三番蔵がいかが致しました?」。 「え~!? いや… 何ですか?だから あの三番蔵から夜になると幽霊とか… ですか?」。

「いやいやうちの番頭どんと2人…」。 その番頭さんというのはお強いお方でございますか?」。 うちの あの番頭どんやがな。 「はあ~ あの番頭さんですか。 そやさかいに ひとつ番頭どんと2人でな…。 あっ 番頭どんが来た。 「番頭はん!えらい事になりましたな!」。 それ 2つ重ねてなあの離れへ行てな あの向かいがちょうど 三番蔵じゃで。 番頭はん 今 行きまひょか」。 「何を言うてはりまんねん番頭はん。 ええ? あのね この向かいに三番蔵の化け物がいてまんのやろ?昼間 この離れへ来てるや分かりまへんがな。

「あんた それ何ちゅう格好でんねん」。 「あんた逃げようと思ってまっしゃろ?ほんまに口ばっかりで怖がりやな!背中の般若の彫り物が泣きまっせあんた! ええ?あれな ひょっとこに変えなはれあんた ほんまに もう。 逃げる格好してまんがな。 しかし 何でんな 番頭はん。 「ええ ほな まあ…一杯いきな 一杯。 その時に 三番蔵の戸の前に青~い火の玉がいきなり ボンッと現れました。