私の知ってる人が新川崎で すし屋やってるんですけどね同級生なんですがねこの人が ゴルフが好きでね。 スコ～ンってドライバーを打っとりましたらねナイスショットしましてねフェアウェーの真ん中へもう奥様 狂気乱舞してしまってね旦那は そこまでの間に ８打 たたいてる。 大変に威勢がよろしゅうございましてね義理堅いっていうところが江戸っ子でございますんでね 「この人にはこういうことで世話になったんだからいざとなったら体ぁ持っていかなきゃいけねえんだ。
でね この野郎とね道々ねえ 相談しながらやって来たんでございやすけどね祝え物の一つも持ってこようと思いやしたけどねどんなものがいいかね…。 顔見せてくれただけでもって十分だから」。 「どうっすか？ 茶笥。 ねえ？ すりガラスか何かこうやって入れてねおつなもんでございますけどねどうですか？ 茶笥ってえのは…。 「高いよ 茶笥も」。 「よしやす！どうもね 茶笥もいいんですけどね瀬戸物なんか入れて面倒くさいですからね。 顔見せてくれただけで 十分だから！ええ？ そんな 気に…」。
「おうおう… そういうの欲しいんだ。 じゃあ ２人でもってね 水がめ持って…」。 「いいよ。 何か 催促した…」。 「…一人でもってベラベラベラベラ しゃべってよ。 あのね 家見舞でもってさあ祝いがめなんだけどねちょいと 水がめがもらいたくてさ」。 備前焼でございましてねええ 二荷入りでございましてね。 これだったら 大丈夫でございますよ」。 それ一荷入りだけどねそれだって悪いってわけじゃねえんだ。 「これは近いとか遠いって問題じゃねえ。 ガタガタ言いなさんなよ。
古道具屋 古道具屋。 「おう あの～ あそこによ雨水受けるふりで置いてあるかめが あらあな？ あれ ちょっと売ってもらいてえんだけどな」。 「それは… 水がめは 駄目だよ それは。 ねっ？水がめは駄目だよ」。 それもね 私が掘り出してさそうやって 雨水受けるように置いてあるだけだからね。 ねっ？水がめは 駄目だよ」。 「駄目だ 駄目だ。 「いいよ！ ここで洗っちゃえば！『見ぬ物清し』なんてこと言うんだよ！今度 銭が出来た時にね「んなものは 誰だってできるだろ。
今 野郎がね井戸端 行ってね 水 張ってやすから」。 あ～ おっ母さん おっ母さん立っちゃ駄目！ おっ母さん！おっ母さん 耳 遠いけど 鼻 利くから。 いや… 台所 持っていきやすから大丈夫ですから」。 ええ こうやってね湯から上がってねええ 膳の支度がしてあるなんてのはね好きなんですよ ２人とも 豆腐が。 何が？『冷ややっこの水が 随分冷たそうだけどこれは 何ですか？ 兄ぃが 井戸端からじかに くんできた…」。 じゃ ホウレンソウでいいか？」。