絵も描く津田さんその不思議な色彩はマティスが使う赤っていうのはものすごくマティスに飼いならされてるというか あったかいんですよね。 マティス研究の第一人者…絵画の額縁の限界であるとか絵画の空間であるとかそういったものから自由になって…。 更にマティスは 妻の肖像画で色彩を爆発させます。 色彩の魔術師マティスの本格的な絵画への挑戦が始まります。 津田さんは 特にマティスの赤がお好きだと伺っているんですけれども今回は 実際にマティスの絵を前にしてその魅力を探って頂きました。
ロシアの古都…ここに マティスが描いた最も印象的な「赤」の代表作があります。 で 赤と青緑の2色をそのまま入れてしまいますとギラつき感が出ていなくてこれが点点 点 点 点 点と横に流れるように配置されていますので見る鑑賞者にとってはここから動きが感じられて津田さんは 「赤のハーモニー」という作品が 非常に好きでなんか強くなるっていうのはやっぱり この女性の方の表情とかが優しかったりとか外の景色が なんか穏やかだったりとかマティス自身は人をドキドキさせるために赤を使ってたんじゃないんだなと。
エルミタージュ美術館にあるマティスコレクション。 だからマティスのいうバランスというのは世間一般でいうバランスではなくて自分の中のバランスだからそれは 見る人によっては全然アンバランスに見えることもあると思うんですね。 でも マティスの中でこれはバランスがとれてるとか晩年 デッサンとの格闘が始まります。
ですから 決して その一つ一つの過程が無駄ではなくてそれぞれに自分の表現したいものが出ているというような意識があったと思います。 それはやっぱり常に新しい自分になるためということですか?つまり変わろうという努力ですか?自分を見つめたいというよりか絵の面白さとか 絵の不思議さって何?っていうのを自分で知りたいというのがあったんじゃないですかね。 でも ほんとのこううわっと感動する絵っていうのは自分のその癖を 何のてらいもなくふわっと こう出してるからすごい人間 人間ってすげえな面白いなって思えるところ。
マティスの切り紙絵が大好きで自らも果敢に挑戦したのは染色家の柚木沙弥郎さん 96歳。 その晩年のマティスの発想の何というか 自由さって すごいな子供のような心を そんなお年になってもまだ持ってらした方なんだなというのがよりこう建築的な広い空間にも作品を展開できるようになりますしこの絵画の制約を こう一気に開いていくようなそういう可能性を見いだしたという側面もあるのではないかと思います。