日本の話芸 桂宗助 落語「抜け雀」

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この番組のまとめ

書画 美術品 骨董品というようなものの値段が取り沙汰されてるようでございますがたまに まあ あの 有名人 著名人のこの色紙なんかが出てまいりましてねそれに 何万円とか何十万というような値段がついてて「ほう~!」と こう 見ててびっくりしたりするんでございますが。 うちの師匠は よう 色紙に あの「一期一会」なんてよう書いてたんですね。

「ああ 朝飯の用意はできておるか?」。 これは昔の携帯用の筆記用具でございましてね。 「あ~ 亭主 風呂は沸いておるか?」。 「風呂から上がればまた1升 用意いたしておけ」。 「ああ 亭主 朝飯の用意は?」。 昼頃になると帰ってまいりまして昼飯に5合飲んで ゴロッと昼寝ですな。 夕方になると起きてまいりまして風呂に入って風呂から上がって また1升と。 あんた それだけ 貧乏性やねん」。 「貧乏性まで言わいでもええやないかい!」。

え〜 実は あのお泊まり願いました時に申しましたようにな宿賃の方は ご出立の時にまとめて頂けましたら結構なんでございますが酒代の方が え~ うちは あの酒屋が現銀でございましてなあの上酒を切らさんようにしようと思うたら現銀を持ってかんと売ってくれませんのでな。 ならば 今日までの宿賃 酒代何もかも ひっくるめていかほどになるな?」。 えっ?ほ… ほな 何ですかいな あんた初めから一文無しで 宿賃倒すつもりで何の当てもなしにここへ泊まんなはった?」。

あっ この間も そういうたらうち 一文無しが泊まりよったんや。 うち 一文無しが泊まりやすいように出来てんのんかいな もう。 なあ この間の一文無しは あら表具屋の職人やっちゅうたさかいな。 その一文無しが張り替えたあ~ 表具屋が張り替えたという衝立はどこにあるな?」。 亭主 一文無しと申す者は腕は確かじゃな」。 「偉そうにぬかすな 一文無しのくせにほんまに もう! これでええか」。

雨戸をガラガラッと開ける。 さあ これが えらい評判になりまして噂を聞き伝えて 近郷近在でお客さんがやって参りますな。 あの小松屋へ行ってあの抜けて出る雀の絵をいっぺん見てこいっちゅうわけでね。 小田原の殿さん 大久保加賀守公がお忍びで 小松屋へやって参ります。

「そら もう 泊まっていただきたいのはやまやまでございますのやがどのお部屋もな お客さんがいっぱいで塞がっておりましてな」。 え~ 相部屋でええねんけどな」。 「もとより 相部屋でございますがな。 「もう 廊下も縁側も布団ひけるだけひいて寝てもうとりまんねん」。 あの はしご段階段へ腰掛けて 朝まで待とか」。 おい 階段 どないなってる?え? 下から3段目の左側が空いてるて?」。 そんな ある日のこと 六十年配の上品な身なりの人がやって参りまして…。