日本の話芸 林家正蔵 落語「子は鎹」

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この番組のまとめ

♪~大変に腕のいい大工さんなんですが昔の腕のいいお職人というのはありがちだったそうですね。 この熊五郎という大工とても腕はいいんですけれども昔のなじみと ばったり会う。 ある日のこと 手拭い引っ掛けて「いや 別に用というわけじゃないんだけどもねえうちの旦那が 近頃 気が短くてね『いつ上がるんだ。 この天気だ2~3日うちに上がると思うんでそれから見に行って 旦那ん所にご挨拶に伺おうと思ってたんですよ」。 そんなことじゃあないかと思ってたんだけどもねうちの旦那がさ 近頃茶の湯に凝ってるんだよ。

おっ母さんも元気か?」。 おっ母さんも元気」。 『亀ちゃんこのお荷物を届けてくれ』とか『このお手紙を届けてくれ』って方々お届け物して戻ってきたら『偉いね 亀ちゃんは』ってお小遣い頂戴するの。 今 一生懸命 働いてんだい」。 「本当?あの女の人 いなくなっちゃったの?お酒 やめたの? 本当に飲んでないの?お仕事 一生懸命してんの?あ~ だからそんな きれいなお着物着てんだね お父っつぁん」。 今な 酒もピタッとやめて一生懸命 働いてんだい。

「ええっ!本当に50銭くれんの お父っつぁん。 「何言ってんだ この野郎。 男と男の約束だ」。 男と男の約束だね お父っつぁん」。 出世前の男の子が こんなところに傷 こしらえて どうする?あっ 分かった。 この近所にお金持ちのお坊ちゃんでもって中村さんってお坊ちゃんがいるんだよ。 『お前は生意気だ』。 かけっこだって お勉強だって相撲取ったってけんかしたって負けやしねえんだよ。 「しでえ野郎だな その野郎は。 『もう 今日という今日は我慢ができない。 男と男の約束だ」。

だからよ 今日お父っつぁんと ここで会ったこたあ内緒にしとけ。 明日うなぎを食いに行くのも内緒。 「大丈夫だよ。 男と男の約束だろ?」。 行ったって構わないんだけれどもね近頃は物騒で人さらいなんてのが いるからさ。 お前だけ戻ってこない 心配し…。 何だって 今日 よく落とすんだろう…。 今日は 開けねえ訳があるんだよ」。 大丈夫なんだよ」。 いつかはこんなことが起こるんじゃないかとおっ母さん 心配してたんだ。 亀 これが見えるかい?これは玄翁だ。

「本当かい?じゃあ あの女いなくなってお酒やめて 一生懸命お仕事してるってお前に そう言ってたのかい?」。 自分は うちでもって仕事にかかろうと思ったんですがもう手につくわきゃあございません。 しかたがないからというので久しぶりに鏡台の前に座って白い粉を パタパタっと はたく。 「ええ…? この野郎。 しゃべったのか この野郎! ええ?しゃべるなっつったじゃねえかよ。