日本の話芸 桂南天 落語「茶の湯」

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この番組のまとめ

人間観察といいますか。 まあ また この大阪に住んでまして人間 人さんを眺めてますとこれ おもろいですね。 これは大阪人同士やったら OKなんですがよその人が この「ちゃうねん」っちゅうのを聞いたら怒るんですね。 うちの家内 嫁さんが よそから来た人で大阪と違うんですね。 大阪のおばちゃんいうのはすぐに なぞなぞ出すっちゅうか問題出しますね。 大阪のおばちゃんと しゃべっとったらすぐ問題出してきますよ。

炭を一つ足しますのにも炭手前という ややこしいもんがあるんやそうでございますがこのご隠居さん 炭手前どころか茶の湯については一切 何にも ご存じございません。 この中に炭を山積みにいたしましてねからけし載せて 火の種入れて渋うちわで バタバタ バタバタ~!バタバタ バタバタ〜!上品な茶の湯やってるはずが炉端焼き屋のおっちゃんみたいになってしまいよる。 ご隠居はん これ 何でおます?竹で出来た細長~い へらみたいな出てきました。 「ご隠居はん これまた不思議な格好した物出てまいりました。

それで泡立てますねん。 えらい勢いで 湯気が わっと上がってうわっ 湯… ガバゴボゲベってよう沸いてる。 ムクロジとも申しますが植物の実の皮でございまして羽根つきの 羽根の頭の黒い丸いのがムクロジの実でございますがあれの皮でございまして昔 せっけんのなかった時分にあれを使うて 泡立てて洗濯に使うたんやそうでございますがこれを 煮えたぎっております釜の中へ放り込んで更に 器の中で シャコシャコシャコ~ッと混ぜたもんですから たまりません。

「それやったら お流儀も お作法も何にも言わいような人… あっ!長屋の3人 呼びまひょ。 「長屋の3人というと 豆腐屋の大将に大工の棟梁に 手習いの師匠。 わしは もう お流儀がどうのお作法がどうのそんなこと言われるのは 嫌じゃでな」。 ひょっと『お流儀は?』てなこと聞いてきたら『こらっ! 店子の分際で家主に お流儀 聞くとは生意気な!「ご苦労はん ご苦労はん。 茶の湯ちゅうたらお流儀がどうの お作法がどうのややこしいことがあんねん。

「いやあ よんどころない事情により急な宿替えと決まったんや」。 『俺ぁ 立派に立ち向こうてみせる』ちゅうてたら 嫁はんが『待て待て待て!そんな手荒なことすんねやない!待て待て待て! とりあえず今日のところは宿替えしよう』と。 手習いの師匠よんどころない事情により急な宿替えと決まりました」。 「いや~ よんどころない事情により急な宿替えと決まりました」。 二遍目に 『お流儀は?』と聞いてきたら今度 相手の目ぇ そらさんようにじ~っと にらんでやりまんねん。

一番しまいの茶の湯の方では「御詰」ってなことを申しましてむつかしい役目があるんやそうでございますがここには一番荒っぽい大工の棟梁が座ります。 ご隠居さんと 全く おんなじ手がかりで内心ドキドキ ドキドキしてるんでございますが。 早速 八百屋さんへ走りましてサツマイモを一俵 買うてまいります。 これを蒸しておいてすり鉢の中へ放り込んで丁稚の定吉に向こうを持たせておいてガリゴリ ガリゴリ ガリゴリ ガリゴリすり潰します。