日本の話芸 宝井琴桜 講談「呂昇物語」

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この番組のまとめ

とりわけ一世をふうびいたしましたのが女義太夫 娘義太夫でございます。 嫌なお話で伺ったんですがね近頃 あなたとうちの若旦那 邦三郎さんとの仲が世間に知れるようになりまして旦那様も奥様も 大層なご心配。 これを お納め頂いてうちの若旦那のことはきれいさっぱりと お諦めを頂きたい。 いつでも 若旦那は『今は辛抱していなさい。 それに ご存じでしょうが私と若旦那の間には 去年生まれた国松という子どもまであるんですよ。 ねえ あなたにだって 男のごひいきは大津屋なればこそ大金を用意をしてきたんだ 仲路さん。

もしかしたら お前さん義太夫語りの竹本仲路さんじゃ…」。 この太夫さんは粗っ削りだけれどもこれから修業を積んだら さぞかし立派な太夫になれるに違えがねえ。 いえ… 今はとても無理ですが一生懸命 修業をして立派な太夫になりました暁には「おいおい 捕まってたまるか。 つまり 自分たちは技術者だという誇りを持っているわけでひらっと体をかわして 電信小僧 万吉が「この この この!」。 おっ母さん私には義太夫しかありません。

師匠 呂太夫は男ですが仲路の修業ぶりを見てそして 喉が開ききって声にも見どころがある。 大阪一流の寄席であります播重へこの豊竹呂昇の看板を掲げますとたちどころに 京 大阪の人気を一身に集めまして 大人気となります。 その顔を見て「あっ」と思わず声をのみましたのは一日たりとて忘れたこともない命の恩人 電信小僧 万吉。 これは 俺も負けちゃあならねえと一生懸命に修業をしたかいがあって今じゃあ 俺も大阪一のスリの親分だ」。 芸人稼業の人は薄情だと聞いていたが義太夫語りと講談師は別だな」。