神田祭が終わり そして三社祭が終わり夏の風物というのはこれから どんどん どんどんと皆様方の身の回りでも行われることでございましょうが。 よしましょうよ ええ?船頭になるなんてえなことは考えちゃいけねえやな」。 ええ?船頭なんて なろうなんて考えちゃいけねえやな」。 どこだってね 船頭のなり手がね ええ今 少ねえから喜んで とってくれるんだよ。 お前んところでね 船頭になれなきゃ脇 行って 船頭になるから」。 本当に じゃあ船頭にさしてくれる? ありがたい。
あのな若旦那がな 船頭になりてえって。 いや お前 船頭になるために 俺んとこで預かってんじゃねえんだ。 そしたら 脇 行って船頭なるってんだ。 脇 行って船頭になられたら おらぁ大旦那に何ておわび入れしていいか分からねえ。 今までの徳さんとか若旦那じゃねえ。 「えっ 若旦那 船頭になれたの?よかったねえ。 若旦那船頭になりたかったんだもんねえ。 俺のほれてる女が 若旦那の船頭の姿を一度でいいから見てみたい。 俺はあの野郎に船頭の姿を見せてえんだ。
「ばか野郎! この野郎!てめえたちが乗せるから そうやってこの野郎… この野郎じゃねえ若旦那その気になるんじゃねえか。 「四万六千日様でございますか?まあ ご信心でございますこと。 ホホ…あの… あの子から お手紙預かってるんですけど どうします?こちら もてるんですよ~。 今日 四万六千日様で皆さん お舟がいいというわけでもう舟 みんな出ちまってるんですよ」。 渡りの船頭がこのごろ厳しくて 駄目なんですよ~。 「船頭じゃないのに何だって船頭の格好してるの?」。
「ええ 承知いたしました。 竿につかまって 見得切ってるよ。 「若旦那 徳さん。 「へいっ 承知しました。 ♪「おらのおやじは舟のりだ」「大丈夫かよ おい。 「グッグッ…」。 グッグッ グッグッ…。 ハアハア…♪「エッ チョッチョロチョンのチョイ」「あのね そのね歌に合わせて 櫓を振るんじゃないよ。 「竹屋のおじさ~ん 大桟橋までお客さん 送ってきますよ〜」。 お前一人か〜?大丈夫か?」。 『大丈夫』…」。 「ヘヘッ 大丈夫です 心配しないで。