日本の話芸 桂文三 落語「莨の火」

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この番組のまとめ

中でも 今日は 駕籠を扱うた お噺を聞いて頂きとうございます。 これまた客席を見渡しますというと私より 随分 大先輩の方が今日は そんな時分のお噺を聞いて頂きますが「へえ 駕籠! へえ 駕籠!へえ 駕籠! 旦さんお駕籠は いかがでおますかいな。 なっ? 駕籠賃も決めんとこないして ス~ッと乗ってくれはる。 実はな 朝 早うに 和泉の佐野を駕籠で出ましてな随分と ぎょうさんにお茶屋さんがあるそうなな」。

「丁寧におっしゃいませんようにあの 伊八で 結構でございます」。 駕籠屋さんへ 駕籠賃を払わないかんので1両 立て替えてもらえますかな?」。 駕籠屋さん わたしゃなてんと銭勘定が疎いよってに気に障ったら堪忍しておくれや。 こら 駕籠賃や 取っときなされ」。 へっ… えっ… かっ かっ かっ駕籠賃に 1… 1両!?いっ 一両小判!?おう! あっ… 相棒! 相棒!駕籠賃に1両くれてはる。 駕籠屋さんこれは あんたにあげんのと違うで。 駕籠賃に 1両もうた上に母親に2両やなんて… ホホホホ…。

伊八 何人いてなさる?」。 伊八 10両 立て替えてもらえますかな?」。 「10両!? 少々お待ちを! ヘヘヘヘ!帳場はん! ヘッヘッヘッ!」。 「い~や あの 旦さんでございましたら大事おまへん 大事おまへん。 かわいらしいもんじゃ ハハハハハ…。 「あの 芸妓衆が控えておりますんで」。 芸妓衆 お通り~!」。 「20両!? 少々お待ちを!ハハハ! 帳場はん! ヘッヘッヘッ!」。 ハハハハ!」「伊八 それから…」。 ハハハハ… 何人いてなさる?」。

ハハハ… ああ そやそや 伊八あんたに駄賃をやらないかんのやが奉公人は 何人いてなさる?」。 「ヒヒヒ… 50両!? 少々お待ちを!帳場はん! ハッハッハッ!」。 「いや… ハッハッ!」。 「もう うるさいな あのなもう しまいや なっ?『帳場へ行ったところが手元にございませんのでお手持ちのを お使い下さい』とそない あんじょう断ってこい!」。 「いや その わてらが…ちょっと ちょっと待って…帳場はん… ハッハッ!」。

伊八 あの地袋棚の上に乗ってもかまへんか?」。 微塵行李を 小脇に抱えまして地袋棚の上へ ポイッ。 ハハハハ!まくさかい そ~れ! ハハハハハハ!こっちか 今度は こっちじゃ!ヘヘッ よいしょ! ハハハハ!あ~ なんちゅう格好じゃいな。 ハハハハハ…!あ~ 伊八 面白かった。 伊八が 後を見え隠れについていきます。 元来た道を歩きましてやって参りましたのが鴻池のご本宅。 ガラガラガラガラガラ ピシ~!「はてな? こら 鴻池のご本宅やがな。 お~ 何や 伊八っとんか。

そこで 立て替えとったらやでもう これから この お茶屋はお前 小判の香々になりそこねとんで」。 「はっ!? こっ こっ こっ こっ…小判の香々? 小判の…」。 「わあ! 小判の香々…小判の香々になりそこねた」。 「こら! 己がために小判の香々になりそこねた!」。 食の旦那 鴻池のご本宅へご在宅やというのを聞きまして北の新地芸妓200人余りが そろえの浴衣紅白の綱を持ちまして北の新地を練りだします。 北の綿富より 食の旦那様にお中元のおしるしでございます。