100分de名著 ドストエフスキー“カラマーゾフの兄弟”(4)父殺しの深層

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この番組のまとめ

再び訪問してきたイワンにスメルジャコフは伝えます。 イワンに対して ある意味で間接的な罪を問うことでフョードルの殺害実行を告白するということなんですがスメルジャコフとしては彼の指図の下に手を下したというふうに考えているわけですよね。 それに対して スメルジャコフはイワンを信仰する信仰者ということになるわけなんですね。

これを聞いたイワンは突然抑え難い思いに駆り立てられところが スメルジャコフは急に 逆のことを言い始めます。 スメルジャコフは最後の切り札とばかりに履いていた靴下の中から紙包みを取り出しました。 もう一つは やはりスメルジャコフは去勢派と つながりを持っているかもしれないっていうそういう視点ですよね。 物語層では イワンがスメルジャコフをそそのかして罪の意識に対する一種の懲罰というんですかねそういう形で このフョードルという名付けがあったんだろうというふうに思われるんですね。

私も翻訳しながらですね 何度も何度もこの最後のシーンを こうで 結局のところそのドストエフスキーの意図をですねひもといていくには 物語の舞台となった仮の年号ですけれどもぞっとしますね。 ドストエフスキーっていうのはですね20代の終わりに死刑判決を受けていてで それが 以降 彼自身は徐々に徐々に皇帝権力寄りにすり寄っていくわけですね。 つまり ドストエフスキーは 右に対しても左に対しても 目配りをきかせて「カラマーゾフ万歳!」っていう言葉を言っている可能性があるんです。