日曜美術館「マネ 最後の傑作の秘密~フォリー=ベルジェールのバー〜」

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この番組のまとめ

発表当時から「理解不可能な配置」と評論家たちを困惑させてきました。 誕生したのは マネが生きた19世紀後半当時はミュージックホールとしてパリの人々の人気を集めていました。 アクロバットやバレエオペラやシャンソンそして エロティックなショーまで楽しみました。 構図は古典の名画に倣っていますがマネはサロンが求める理想の美ではなく現実にある日常を赤裸々に描こうとしたのです。 遠近法を無視した平面的な画面構成など今までにはなかった独創的な表現は人々を驚かせました。

この劇場の中にはもちろん舞台の上での芸人もいるしお客もいるし ブルジョアジーもいるし普通の常識的な人たちができるものならば その繁栄の中で見ずに済ましたかったようなものをそれは もしかしたら 上流階級の婦人の場合もあるかもしれないでも こういった あまり表にはふだんは出てこないような隠されるべき真実であるようなそういった場にいる女性娼婦であるとか バーメイドであるとかそういった人たちに逆説的にスポットを当ててその輝き 美 それが当時の文化都市パリの象徴ではないかというふうに描いていたのがマネではないかと思

鏡の中の表現に矛盾があるのはなぜなのか?その秘密を解き明かそうとしたのが「フォリー=ベルジェールのバー」を所蔵する…ロンドンにある美術館には世界有数の印象派やポスト印象派のコレクションが収集され美術研究所が設けられています。 マネが 鏡に映る女性の位置を右にずらしたのは…現実のバーメイドと鏡に映った姿に違和感がなくなるにはどうすればいいのか実際にバーカウンターをしつらえ状況を再現してみます。 女性の胸の中心と酒瓶をつなぐ線上に瓶の口や瓶底を合わせるとこのように カウンターの手前の位置に小さく映るはずです。

絶対的な価値観は喪失してるしもう 神は死んでるし人間はバラバラだしというこういった近代の人の在り方社会の在り方というのを考えるとまさに それを典型化して示唆してるような絵ではないかなと思いますね。 どういう手法であれダイレクトにはなくて我々が 普通には見えないですね新しい近代の美をどうやって浮き彫りにしていくのかという点でやはりボードレール マラルメのラインとマネのラインというのは並行関係にあるのではないかなと思います。