日本の話芸 桂南光 落語「三枚起請」

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この番組のまとめ

♪~「三枚起請」という昔の色街の噺なんでございますが「おい 喜ィ公 こっち入り」。 相手のおなごは素人か玄人かっちゅうねん」。 「いや~ それがなミナミの難波新地のおなごやねん」。 娼妓とか女郎ってなもんはな『男 だまします』ちゅうて看板あげてよんねん。 「かたいもんって何や? ええ?おなごから? 起請もろた?こら また 古風な色事さらしてけつかんなあ お前。 『起請誓紙を取り交わし』てのはな浄瑠璃の文句にあるけども。 おお ほんに こらあ 起請やな。 「そうそう 難波新地や言うてるがな」。

源やんも本名書いてもろ… えっ?『うつぎみせこてる』…ちょっと 源やん これ 一緒や!」。 『しゃべりの清八』って 今 言うたやろ?」。 そこで お前が来たさかいおっ 清八が来た。 『しゃべりな』『清八が来た』とこう言うたんや」。 「ええ?『しゃべりな』『清八が来た』かいな。 『しゃべりの清八』と違うんかいな」。 「この『うつぎ』ちゅうたらあの難波新地の宇津木か?」。 難波新地の宇津木です」。 喜ィ公 ゲラゲラ笑てんとな清やんが持ってる包丁 取り上げえ!」。 「いや~ 大丈夫 大丈夫。

その時に小輝が 『また来とくれやす。 なあ?そうこうするうちに あれは去年の夏前や仕事から お前 帰ってきたらやなうちの お前 長屋の路地口におなごが立ってよんねん。 行ってみたらこれがお前 小輝やないかい。 ああ 小輝 会うなり『清やん 会いたかった~』と食らいついてきよった。 次の日に また こうな呼び出しに行ったら 番頭が出てきてなそこへ ためた金 あっちこっちから集めた金 みんなで20円こしらえてこれを小輝とこへ持っていってやな…持ってきた。

私な 職人さんというのはなもっと裕福なもんでな 気散じなもんでああ 楽できると思ったさかいあんたと夫婦になるちゅうたけどまあ 20円やそこらでこんな重たいこと言われたら しんどい。 小輝 この20円な ああ お前好きなように使い捨てにしてくれって頼んで受け取ってもろたわいおら ほんまに。 ええ?その時にな 小輝が『これが私のほんまの気持ちや』と言うて書いてくれた この起請や。 南へ南へ 宗右衛門町をぐるっと回りますと 難波新地。 源やん 清やん なああの 小輝な 皆で責めたろやないか。

ほかに起請書いてないかっちゅうたら書いてない 言いよるさかい順々に呼んでな 3人で囲んであいつを びっくりさしたろうと今日はどなた? ご新規さん?おなじみさん? え? 源やん?いや もうなあ 長いこと来てくれんさかい 諦めてましたけど。 大阪離れて商売で… そうですかいな。 入るなり 座ってる源兵衛の肩肘打ち ド~ンと食らわしてね横手へ こう 座ってね顔をじ~っと見ながら…。 命懸けで書いた起請を チラシやなんて」。 字の抜いてない起請を書いてないか?書いてるやろ? 思い出してみ お前。