立川吉笑が作った新作落語錦織選手の大会なんかがすごい テレビで流れてて「ゾーンに入る」っていう言葉をすごい 解説の方がおっしゃっていて何か その言葉が面白いなと思って作ったネタですね。 奉公初日の定吉が 番頭さんのところに挨拶に行くと2019年放送の「落語ディーパー!新春・新作スペシャル」で収録した立川吉笑の「ぞおん」。 ある世界大会の これ決勝戦だったかな?錦織選手が勝ち上がってきてこの大会 これ勝ったら日本人選手初の優勝だっていう状況でね解説 松岡さんでしたよ また。
錦織選手もね横から 松岡さんに「入れ!」って言われてね「分かりました」って 入れるもんでも多分 ゾーンって違いますからね。 今日頑張らなあかんねや。 『いいか 定吉? とにかく お前は番頭さんだけは 絶対に しくじったらあかんで』って言われたんや。 失礼いたします!番頭さん いはりますか?今日から こちらでお世話になります定吉と申しますけどもご挨拶よろしいでしょうか?…返事あらへんな これな。
「いや つまりな月に何べんか 何やろな この…寝覚めの具合なんか天気の具合か 分からんけどもな何日かなものすごう調子がいい日があってなその日 番頭さん体が キレッキレになるわけや。
「え 番頭さん あの 事務作業でぞおんに入ってるんですか?」。 番頭さんはふだんの事務作業で入んねん。 番頭さんはな死ぬ気で事務作業してはるわけや。 信玄どころやあらへん 旦さんは ええ?聞いたら 旦さんはな調子がいいと このな第二旦さんっていうな2人目の旦さんが空に向かって パ~ッと昇るらしいわ。 で 空から 第二旦さんが見下ろすから第一旦さんが 一望できるらしいけどな。
で 店の中 一歩入ったらな 番頭さんが俺のこと ゆっくり見るやろ?もう 中 番頭さん 外 旦さんえげつない監視やからな。 「あれをな 耳 ぞおん入って 聞いたらな『今日奉公に来た定吉君 手が空いたらこっちに来てくれるか?』が縮まって ぱ~んやから」。 そうやなくてな番頭さんが ぞおんに入っているこれが問題やろ?ぞおん状態やから ぴゃっぴゃっぴゃっ君は聞き取れへんわけや。 ただな 本来 我々奉公人も耳を ぞおんに入るわけや。 そしたら これは 会話ができるけれども今 問題は定吉君が ぞおんに入れへんわけや。
これ ぞおんって どういう状況や?これな 集中した極致に入れるもんやろ?つまりや 番頭さんは こう見えてな今 ものすご~く 集中してはんねん。 集中途切れたら ぞおんから出はるやろ?一番簡単なのは そうやな手っ取り早いんは ここでな ぱ~んってな番頭さんには見えへんようにな「せやがな」。 番頭さん 基本軸足 ぞおんに入ってはるからなすぐ ぞおんに 戻らはるけどもなただ 今の要領で ぱ~んっといったら聞こえるから はよ やり」。 表拍でたたくと 番頭さんの口調はな動詞が来がちやねん これ。
あ そっか今 一発目が『しといてや』やったから先輩 ちょっと たたくん間違えたんかなって驚いたか?ちゃうんや 今のは 番頭さんの倒置法や」。 番頭さんに言われたんや『いいか 定吉』と。 思い出すな 奉公の初日や あん時な番頭さん ぞおんの日やってんな。 お~い! 定吉やんけ ええ?どないしてん お前?奉公 行ってるん ちゃうんか?帰ってきたんけ? 何してんねん 定吉!」。
何で 関西弁にしたの?京都出身なんでそっちの言葉も使うんですけど何か 自分の中で荒唐無稽な感じというか…いわゆる大阪の人の言葉をしゃべる 演じるっていうね。 「一人相撲」っていうネタがあってゾーンとかっていう今の言葉 一切使わずに本当にもう当時あったような言葉でやってたらたまに お客さんとかで 「あれ何ていう古典ですか?」とか「上方の どの方から教わったんですか?」とかって言われた時は何か ものすごい鳥肌… 快感というか。 私も「新銭形平次」っていうネタ作ってやってるんですよ。