たまに あの~ 「後世に残したい言葉はどういう言葉ですか?」と聞かれることがございまして私は迷いなく「女郎買い」という言葉でございますな。 「よせよ コノヤロー。 「不浄なもん? コノヤロー。 「うそつけ コノヤロー。 「コノヤロー。 「ああ… 以下同文」。 コノヤロー 一番たち悪いんじゃねえか」。 「いいかい? じゃあ おめえは どうだい?やる? おめえも それでいいか?じゃあ すまねえがな 俺が棟梁おめえたちは俺んところの仕手方だ。 大見世でいけず 小見世でいけずねああ よっちゃん おめえがいいや。
その前祝いに 俺たち若え者を どこへでも連れてってくれるってえんだがうちの棟梁ってえのはのべつ 角海老で遊んでる人。 あっしたちは そういう大見世遊びはしたことはねえからひとつ角海老へ連れてってもらいてえと来たんだけどもまあ みんなで今 そう言ってたんだがね大見世ってえのは やれ 格式がどうのとか方式がどうのとかうるせえこと言うだろ。
じゃあ まずは ちょいと早えんでな夕方になったら また 俺のうちへ集まってくれ」なんてえんで悪い相談が持ち上がりましてこれから棟梁格の男がどっか行って どてらか何か借りてくる。 で うちの棟梁ってえのは のべつ おめえ角海老で遊んでる人なんだよ。 おめえのうちへ上がりてえんだがな棟梁が大見世遊びばっかりしてる人だから果たして 首を縦に振るかどうか」。 どうです? キリギリスの籠一緒に入ってもらえますか?」。
はい 随分細かに書いたね おい。 「ええ それは ろくちゃんという方が何でも このご近所にご親戚があるんだそうで無沙汰のわびに持っていくんだとおっしゃいまして。 じゃあ 芸者衆の祝儀や何かああいうのは別になってんだろ。 えっ 入って?そっくり入って これだけ?その違い棚の上にな俺の紙入れ のってねえか?おい 何やってんだい?清公 清公 何してんだよ? 早く行けよ」。 札束の ふんだんに入った紙入れをあん時 姉さんが出てきちゃって『清さん うちの人は宵越しの銭は持たない。
今日んところはこの紙入れ 私が預かっておくから入り用ん時には いつでも取りにおいで』と姉さんから言われていたのをゆんべ ちょいと飲み過ぎて忘れました」。 「何 コノヤロー。 紙入れ忘れた?ばか! まぬけ! ドジ!ゲジゲジ南京虫!」。 「このバカヤロー!」。 「このバカヤロー バカヤロー!」。 一緒に行くってえとまあ すまなかったわねってんで祝儀をたっぷりつけてくれるんだ。 「余計なこと言うな コノヤロー 本当に。 御歯黒溝 おめえたちがこん中に小便してみろ。