日本の話芸 桂米福 落語「佃祭り」

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この番組のまとめ

信州というのは これはりんごが名産地でございますから食べるなら りんごを食べてまあ 梨は糖分が多いといいましょうか甘みが多いですからね梨は 歯の悪い方は食べないほうがいいよ食べないほうがいいよだったら 紙に 痛い歯 上下何本目所番地と名前書いた紙に梨を包んで 川に投げて手を合わせると歯の痛みが治るよという迷信ができたんじゃないかなあと思うんですけれどもね。 小間物屋を営んでおります次郎兵衛さんこの方が大変な祭り好きでございまして。

旦那様 あの~ 3年前吾妻橋で身投げしようとしている女にお金を恵んで助けた覚えございませんか?」。 「え~? 何? 3年前?吾妻橋で身投げしようとしてる女にお金を恵んで 命を助けた?芝居噺ですよ 知りませんよ。 ええ?吾妻橋で身投げしようとしてる女の人にお金を恵んでああ… 命を助けた。 「え? お前さんのご亭主船頭をやってる?「そんなことしたら 後で亭主に何言われるか分かりません。 「旦那様本当にありがとうございます」。

「吾妻橋で 命を助けて頂いた旦那に会ったんだよ」。 「え? 吾妻橋の 旦那に会ったのか?あっ そうかい。 吾妻橋に手ぇかけたところ旦那様 命を粗末にしちゃいけねえと助けて頂いたんだそうでして。 それからってえものはね 神棚に2人で 朝晩 手ぇ合わせましてね吾妻橋の旦那に会いたい吾妻橋で命を助けて頂いた旦那に会いたいと思っておりやしたがこうして会うことができました。

こうなりますとどうにもなりませんのでね町内の若い者が弔いの支度をしなきゃいけないってんで集まってまいりまして「おい 聞いたかい? ええ?次郎兵衛さん 佃島から出たしまい舟ひっくり返ったんだってよ。 俺ね ゆんべ 次郎兵衛さんと湯で一緒だったんだよ」。 湯へ入ってたら次郎兵衛さんいたからさ背中流してさそしたら 一杯やらねえかってんでね2人で そば屋へ行ってさ… うん。 次郎兵衛さん ご機嫌だったよ。 あっしのかかあってのはね次郎兵衛さんに世話してもらったんですよ。

「次郎兵衛さんね 『おめえ バカだけど正直者だからいい』ってねいつも顔出すとねその長火鉢んところへ座っててね引き出しから 10円出してねいつもくれたんだよ。 それがね この間 顔出したらね次郎兵衛さん いねえんだよ。 『あれ どうしたのかな?』と思ってね長火鉢の引き出し 開けたらね10円あったからさ 『あ~ 次郎兵衛さんいたら くれるんだよな』と思ってね次郎兵衛さんの手煩わしちゃいけねえと思ってそれ持ってきた」。 あの~ 次郎兵衛さんをね捜しに行かなきゃいけねえんだ。