100分de名著 安部公房“砂の女”(4)「“自由”のまやかしを見破れ!」

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この番組のまとめ

漫画家で文筆家のヤマザキマリさんです。 エンディングに向けてどう展開していくんですか?ここまで切迫してきて一体 この仁木順平はどこへ行こうとしてるのかというところですけど。 まあ 大脱走を試みるも失敗に終わり生活に やっぱり順応していくしかないという状況に置かれるというのは彼の希望というのは何かというとやっぱり…木の桶を穴に埋め 砂で隠し干し魚で 鴉を引き寄せ桶の中に落とすという単純な仕掛けでした。 今こそ そのクールジャパンの象徴で漫画って 政府が薦めるみたいな状況になってるけど。

そして 村人たちが工事現場のコンクリート用に砂を売っていることを話すと男は怒りだしました。 だから まるで この時点で男の方が他人の目を気にして気にしてと言ってる方が加害者的な存在になっていく。 男なんていうのはやっぱり都会という社会が作り上げただから大逆転状態になってるわけですよね今 ここから。 さっき 「かまいやしないじゃないですか他人のことなんて」って言った瞬間に完全に尻に敷かれたわけです 仁木順平は。 大逆転。 だからね ほんとに仁木順平の考えなんていうのは浅はかだなということが分かるわけですよ。

研究すれば もっと高性能の貯水装置を発明することも可能だろうと冬を越し 春を迎えた3月女は妊娠しました。 しかし 溜水装置を囲う木枠が外れていることに気付き修繕するために 男は引き返します。 男の心は溜水装置のことを話したい欲望ではちきれそうになっていました。 だから最初は このニワハンミョウの新種を見つけるということが彼の 旅の目的だったんだけども自己実現の欲求ですよね。