手がけたのは 現代美術作家 杉本博司。 まあ全体を 自分の終生をかけたアート作品と捉えてるんですよね。 古代人のメンタリティーをもう一回 ここで感じられるような施設を作ってみたいな。 それで日の光太陽の運行を測候するための測候所という名前にしたんですよね。 冬至の朝日は 冬至光遥拝隧道をこんなふうに貫いて 輝きます。 何か 古代人になったつもりでですね僕は 初めて この地球上に生まれてきた最初の人間だった みたいなね。 今年2月 江之浦測候所に巨大な石が据え付けられました。
ここで採れる根府川石は名石と うたわれ江戸時代船で京都にも運ばれました。 十三重塔ですよね。 あそこに「内山永久寺十三重塔」と書いてあります。 江戸時代の絵図を見ると 池のほとりに確かに十三重塔が描かれています。 この塔は バラバラになった状態で奈良県内の石屋さんにありました。 バラバラになってその辺に散らばってたんですよ。 柱が立ってたんですけどもこれ 比叡山から。 え これ比叡山なんですか?比叡山。 比叡山のふもと日吉大社にあった礎石です。
ず~っと見てると その木の木材の目が大きくなっていってですから こう 小学生の頃から模型を作る小屋みたいので石で作ったジオラマのような江之浦測候所。 自然史博物館っていうのがセントラルパーク…ニューヨーク市内の。 これは 映画一本分がここに こう映されてるところをまた こちら側からカメラで撮ってるわけですね。 この土地を造成中に出てきた石を組んで作った石舞台。 広大な土地を切り開き 巨石を運び10年以上も江之浦測候所を作り続ける杉本さん。
ですから この100メートルギャラリーもガラスとか屋根は 全部崩れちゃってここに ツタが絡まってこの大谷石の壁は残ると思うんですよね。 日本の歴史に 物として実物と一緒に暮らすということでその当時の 奈良時代のだったら奈良時代の 使われてた物をねなでさすりながらその当時の感覚を呼び戻すようにしてきたんですよね。 古代人のメンタリティーというのがその 自分のアーティスティックな発想の源泉ですよね。 それでですね これ 「古美術杉本」。 これを掲げてたんですか 「古美術杉本」。
何ですか?あれは 縄文時代の石棒なんですよね。 縄文時代の?ええ。 縄文時代の石棒。 そこに 杉本さんは持っていた縄文時代の石棒を祀りました。 ここ 開所してから5年目なんですけどもずっと やっぱり これだけ1万2,000坪の敷地がありましてやはり その鎮守の森にはその お社があって杉本さんの たっての願いでお迎えすることになったのは奈良春日大社の神。 上にのってる五輪塔は杉本作品の 光学ガラス五輪塔。 現代古美術っていうんですかね。 現代古美術。 そうか現代アートならぬ 現代古美術。