え?大野屋ならよく行くからひと部屋ぐらい空けてくれるんじゃないかい?そ…それどこどこ?面白いわよいろんなお風呂があって。 スワン風呂とか三色スミレ風呂とか。 そう!三色スミレ風呂!三色スミレ風呂…。 そうよすごくステキなお風呂なんだから。 タエ子お風呂大好きじゃない。 ダメダメそれじゃあ大野屋の三色スミレ風呂になっちゃう。
♪~どうせ私をだますならバナナだったローマ風呂で卒倒し初めてパイナップルを食べたあの年ビートルズの来日をきっかけにグループサウンズが流行し始めあっという間にエレキブームが到来した♪~『思い出の渚』美大の1年生だったナナ子姉さんはいつも流行の最先端そう『ミッシェル』でしょビートルズは歌詞がいいのよね。 ドアノックしてっていっつも言ってるでしょ!でも私は当時小学校5年生ファンになったジュリーのタイガースもまだデビュー前で学校と家を往復するだけの生活に大した思い出があるはずもなかったず~っと張り出してあったの。
殿村打てよ!かっとばせ!ヒロ!頑張って!岡島さんが見てるわよ!殿村く~ん頑張れ〜!ストライ~ク!いいぞ~ヒロ!三振三振!タエ子ちゃん4組応援したら承知しないからね!し…しないよそんなこと!かっせ~かっせ〜殿村!かっせ~かっせ〜殿村!かっせ〜かっせ〜…。 わ~!行け〜!打てよスー!1本足!わ~!ホームランホームラン!いいぞいいぞ広田!いいぞいいぞ広田!ありがとうございました!キャ~!ステキヒロ!ごくろうさん!ヒロすごかったな~!スーがいけないのよスーが。
熱があるんじゃない?体育見学しなよ。 どけどけどけ!わ~イテっ!私も今日見学なの一緒だね。 俺トシオですあのカズオさんのマタイトコ。 あっ?いや~それはひどいなぁちゃんと名前確認したでしょ?そうなのだから私フフフそそっかしくて。 あっカズオ義兄さんは?あぁそれが昨日急に電話があってお前迎えに行って来いって。 でも江戸時代はすごかったんでしょ?そう紅花大尽とかね。 農業は今も大変なんでしょう?減反とか自由化とか。 ある日突然バッタリとねフフフ。
有機農業の先輩にひっぱられて会社やめてバカだって言われたけど今んところ後悔してませんよ。 有機農業って?勇気の出る農業勇気の要る農業。
あんたまたバービーさんのドレス買ってもらったんだって?誕生日でもないのにクリスマスとか誕生日だけにするっていう約束じゃなかったの?ホントにお父さんタエ子に甘いんだから!そうだったのか?ター坊。 そんなら早くちょうだいよあのエナメルのバッグ。 あらまだあげてなかったの?ハンドバッグいらない。 ハンドバッグがないんだもん。 ヤエちゃんあのエナメルのバッグ貸してあげなさい。
ねぇトシオさん小学校の時分数の割り算すぐできた?いいわね覚えてないのはすんなりできたからよきっと。 まさか算数が飛び抜けてできないだけだもの授業中おしゃべりばかりしてんのよちゃんと聞いてれば分数の割り算なんて簡単だものバカだってできるわよあれじゃ先が思いやられるわ来年もう6年生でしょだって…3分の2個のリンゴを4分の1で割るなんてどういうことかぜ~んぜん想像できないんだもの。
でも山奥はともかく田舎の景色ってやつはみんな人間がつくったもんなんですよ。 人間が自然と闘ったり自然からいろんなものをもらったりして暮らしているうちにうまいこと出来上がって来た景色なんですよこれは。 じゃ人間がいなかったらこんな景色にならなかった?百姓は絶えず自然からもらい続けなきゃ生きて行かれないでしょ?だから自然にもねず~っと生きててもらえるように百姓のほうもいろいろやって来たんです。 まぁ自然と人間の共同作業っていうかな。
は~い何しろ私の目の前でいきなりダイナマイトが数十個ドカンチョと爆発したのですぞ。 えっタエ子を?まぁ…でも…文化祭でやる芝居に子役が必要なもので…そういう状況の中で稽古は土曜日の昼間とか時間も遅くない時にやりますので。 ♪~プアボーイプアボーイ♪~かわいそうなトラヒゲそんなにお時間とらせませんからええ…でも…ぜひお願いします本人が恥ずかしがって…はぁ…内気なもので…何度も足を運んでくださったのに本当にどうもすみません。
いつか見た映画のように素直にそう言えたらどんなにいいだろうでも言えなかった自分の浮ついた田舎好きや真似事の農作業がいっぺんに後ろめたいものになった厳しい冬も農業の現実も知らずに「いいところですね」を連発した自分が恥ずかしかった私には何の覚悟もできていないそれをみんなに見透かされていたいたたまれなかったお前とは握手してやんねえよハッ!ねぇねぇ今日あべくんが着てたシャツ何?何?4年の時田中くんが着てたやつよ内緒よあべくんってねアヒル当番の時エサのパンお家へ持って帰るのよえ~!あべくんの手のひら見た?すごいわよ
夏休みが来ないうちにあべくんまた転校することになってみんなと1人ずつ握手してお別れしようって先生が決めたの。 あべくんはみんなの席を回って握手して歩くんだけど最後に自分の席に戻って私と握手して終わるはずだった。