太平洋の初日の出を、一人拝んでいたのは、大家族、石田さんチのお父ちゃん、晃さんです。 一体全体、何があったの?こちらの建物ですね、1階部分が半分くらい浸水している様子が分かります。 石田さんチの取材を始めて19年目。 去年9月、鬼怒川の決壊を招いた集中豪雨。 よもや取材中に、石田さんチが洪水に襲われるなんて。 私たちが最初に石田家にお邪魔したのは。 このころ石田さんチは、子育て戦争の真っただ中だったんです。 石田さんチ19年の映像遺産。 初めて会ったころは高校生だった、長男の孝之君。
膨大な洗濯物の山から、毎朝、自分の靴下を探していたのは、次男、和寛君。 目下、一人前の美容師を目指して、一生懸命働いてます。 だから分かったから、もう、撮らないで!あれほど周りを困らせていた隼司君が、去年はお母ちゃんに誕生日プレゼント。 大家族、石田さんチなんですが、新春3時間半スペシャルで。 よろしくお願いします!さあ、というわけで、斎藤工君、冒頭から非常に衝撃的な映像が流れてしまいました。
そんな斎藤さんの家族写真、こちらです。 そのぐらい?愛梨ちゃん、石田さんチ、ご覧になって、いかがですか?私も8人家族なので、やっぱり、そうですね、兄弟が多いと、なんかその、やっぱ世の中で、一番大変なのはお母さんって、ずっと昔から思ってきてて。 その平愛梨さんの家族写真をご覧ください。 これ、両親が沖永良部島なんですけど、その沖永良部島に行くときに、なぜか母が、チャイナ服を着せて行くっていう、母のこだわりがあって。
ジャングルなの。 すごいびっくりして、奥にいちごがあるからって言うから、えっ?ってすって言って、足置いたら、ふっと足元見たら、蚊の出会い場になってた。 芝生、俺が植えたんだ。 芝生植えたばっかりのとき。 お父ちゃんの命を下敷きに、もはや庭はジャングル状態。 芝生は見る影もなく、そこには実に雑多な植物が勢いよく茂っていました。 石田さんチの映像遺産を、また少々。 ねぇ、なんで父ちゃんがさ、最初に結婚してくださいって言っお母ちゃんの大腸がんが発覚したのは14年前。
がんって書いてあった!ほら見ろ!絶対あれは、漢字を読めてないって。 本当だったんだよ。 本当は、心の底から心配していたお父ちゃん。 そうねって言うんだよ、普通は。 悪魔みたいな化粧して。 本当ですね。 それが本当に伝わってきますよね。 お父さんの本当の気持ちっていうのがね。 仕事から帰ってきた北斗に会ったときに、どうすんのかなと思ったら、普通にしてたんですよ。 でも普通に、お帰りって、普通、いつもどおりの関係でいてくれた。
外資系化粧品会社で働くお父ちゃんは、60歳の定年を過ぎたあと、会社との契約を延長。 水筒?甘いオレンジのエッセンシャルオイル。 ただ、隼司はあと半年あるよっていうことは、あるんで、ウィッグが、1台3000円ぐらいするのが、長く続いた子育ての、そのラストスパートというときに、額は減っても、毎月、確かにあったお父ちゃんの給料が消えちゃうのか。 好き嫌いの多い隼司君に、マヨネーズをたっぷり使ったオムレツを作るのは、やっぱり愛情でしょう。 愛情を注がれる息子には、就職活動と国家試験が待っています。
石田さんチの映像遺産には、隼司君の成長記録が収められています。 ご覧ください、19年前の隼司君。 このあと、美容師を目指して、なぜか歌に磨きをかける隼司君。 はい、書いて!まじくそ書いて、隼司。 隼司、早く書いて!隼司、かわいいね、まじくそかわいいね、隼司。 痛い!長男、孝之君の結婚式では、孝之君たっての望みで、リングボーイを務めました。 本日、リングボーイを務めてくれた隼司君、ご協力をお願いいたします。 ほら、今井君、お願いね、大丈夫?あっ、隼司ですか?うん。
なんかご予定でもあって、いらしたんですか?きょうは、おかんが育児疲れしてるみたいだから。 育児、育児。 育児っていうのは、どっちかっていうと、このぐらいのこと言うの。 隼司君はね、まあ、親とすればね、何がなんでも、高卒でと思うんだけど。 俺も一口だけ食わしてもらっていい?学校どうなの?でもさ、学校は卒業したくない?ぶっちゃけ、どうでもいい。 学生で一応、高卒っていう肩書きをもらったほうがいいのか。 結構、学歴ってね、同じふうに入ったけど、学歴が違うだけでね、給料変わってくるんだよ。
弟思いの孝之君さえ、いまひとつ、つかみきれない隼司君の胸の内。 母ちゃん、金!斎藤さん、反抗期あったんですか?反抗期ありましたね。 それで反抗期が収まったと思いますね。 ただ父が、映像を作るほうの、裏方の仕事をしていた、その背中を見ていたので、こういう世界に憧れを持ったっていうのは、なんていうんだろう、否めないんですけど、隼司君も、その美容の道を行くっていうのはやっぱり、ご両親の背中を見てきているんだなって、知らず知らずと、やっぱ影響を受けているんだなっていうのは。 嵐のような隼司君の反抗期は過ぎました。
国家試験の前に、美容室への就職活動。 弊社、違う、弊社主催の、まあ、その会社のっていう意味だよね。 掃除機買ったんで。 ジャミラ、ジャミラ、ジャミラ!あー!あー!あー!布団を片づけて…。 去年7月、末っ子、隼司君は美容室への就職に向けて、準備中でした。 うちの美容室を志望した理由を教えてください。 私は御社を志望した理由は、店全体が大きく、あなたの短所を聞かせてください。
5年前、アルツハイマー型認知症と診断され、症状が進んでいました。 夜中に鬼怒川べりにでも迷い込んだらと、気が気ではなかったんです。 それのなんか、夜中はいかいされちゃったらね、それこそ鬼怒川よ、隣。 本当にそのそのエネルギーの必要性を考えると、本来、自分がやるべきことに加えて、それを受け持たなきゃいけないわ大好きな町、常総!去年8月の終わり。 常総市の鬼怒川河川敷は、夏祭りでにぎわっていました。 こちら、茨城県常総市の上空です。
総合福祉会館、つくば未来総合運動公園、入れるって。 見てこないで!それでみんな行方不明になっちゃって大変な思いしてんでしょう。 行方不明になんのけ?だめなんだってば、今ね、水が出る、水が出るっていって、避難してくださいって言われてるの。 お母ちゃんは、避難をためらっていました。 芽衣子帰ってくるし。 石田さんチを取材して19年のベテラン、澤本ディレクター。 石田家まであと500メートルという所で、濁流に阻まれ、これ以上は近づけません。 周囲の状況を見届けた今井ディレクター。
今井ディレクターもアリーを抱えて、あとに続きます。 一家が逃れたのは、地区内で一番高い場所にある公民館。 アルツハイマーの82歳の母親を持ってるので、そこ、出てないですか、電話番号。 あれ、あっちからも!ここの会社の人いないの?鬼怒川の?猫が。 午後9時半、舞台の水没は時間の問題でした。 救助隊が到着する気配もありません。 大丈夫だ、大丈夫。 水没した車から鳴りだすクラクションは、断末魔の悲鳴でした。 今井ディレクターが、人生で助けて!と真剣に叫んだのは、後にも先にも、これが初めてです。
おばあちゃんに、ちょっとライフジャケットを、これから。 大丈夫ですか?はい、すみません。 大丈夫だからね。 はい、大丈夫、降りるよ。 大丈夫、歩ける。 おばあちゃん、大丈夫?誰か引っ張って、すみません。 こっち、左側ないですか?ない、あっ、左ある!障害物を避けないと、ボートが座礁してしまうおそれがありました。 石田さんだ!足元気をつけて。 ここから避難所へは、女性と子ども、老人が優先。 けれど、上流からあの堤防、決壊しまして、そのまま画面右奥、方角で言いますと南のほうにずーっと水が流れていきました。
だから避難所がいいか、状況的には迎えに行くのはちょっと難しそうな感じなんですか?いや、迎えに行くんだったら、今しかねぇだろうな。 突然の事態に、智広君も困惑気味。 掃除のメドが立ったところで、お父ちゃんと孝之君が避難所へ。 深夜、避難所に逃れてからも、おばあちゃん、なかなか眠ってくれなかったようです。 大丈夫だった?お世話になります。 孝之君の妻、洋子さんも大活躍でした。 きのうの今ごろは、迫り来る水の中を、って、何?孝之君、何がそんなにおかしいの?そういえば、ベテラン、澤本ディレクター。
大丈夫ですよ、これ。 ここまでだな、床下っていうか。 床下ぎりぎりまで浸水被害を免れていました。 ばあさんの家はね、大丈夫だった。 え?大丈夫って意味が分からない。 ばあちゃんの所?床下もない。 電気、ガス、隣町の特別養護老人ホームで預かってもらうことが決まりました。 前ですが、災害時の緊急措置。 そこはお父ちゃんの書斎兼隠れがのすぐ裏手。 汚水混じりの水が残していった、すさまじい悪臭。 お父ちゃんは、3週間後に勤めてきた会社を退職する予定。
智広君の部屋にも援軍がいます。 智広君、少々いらだち気味。 六男の有志君も、実家のピンチに仕事を休んでくれました。 取材班も加わって、一家総出の後片づけ。 うわ、くっせ、なんだこれ、なんのやつ?これ、あれじゃん、温泉玉子的な匂いがするじゃん、人間って現金だよね。 こういうのはさ、温泉街でこういうにおいだと、ああ、硫黄のにおいなんだって。 1回も使ったことないって言うと、1回はあるわよって言うんへその緒?隼司君のへその尾。 と、そこに、金髪をなびかせて、末っ子、隼司君が現れた。 隼司君、頼もしいじゃないの。
このように、表彰状も、こんなふうにぼろぼろにはなってしまったんですけど、確かに、隼司君のお名前が書かれています。 隼司君、大活躍してたね。 だから親父、さっさとあそこの温泉付きシニアマンション買えよ。 智広としては、一刻も早く出ていってほしい?二次被害だよ。 隼司じゃねぇ、有志、ああ、智広!智広、あっ、俺も、もう脳みそ、脳みそごっちゃ混ぜになってきた。 コンピューターに背を向けて、外資系化粧品会社の営業マンとして、日本中を飛び回り、何日も家に帰れないことがざらでした。
半分以上、ごみだけど、でも本当、悔しいよな。 あなたのミッションっていって、目標は新規を作ることですっていって、1件しかできなかった。 9月で終わりなのに、やったら、俺がせめてやれるのは、特休っていって、特別休暇もらって、有休を少しでも買い上げてもらってっていうだけだよ。 本当に、やるせなさを、せっかく再出発をしようと思っていたところで、こんな、超非常時に追い込まれてしまった。 本来なら、もううわぁってなっちゃう、崩れ落ちそうなところもいっぱいあるんだけど、大丈夫、大丈夫って、実はそれは、うそをついてる。
夫婦げんかなんて、一晩眠れば、こんなもんだ。 ばあちゃんち、お人形こっち持ってきちゃっとけばよかったでしょ?これか。 大事なお人形さんなの。 親戚だよ、隼司。 お前さ、お化けには、何やってもかてねぇからな、本当に。 こいつがまじこえーよ、本当に。 あっちにも人形あるの知ってる?白い人形。 あれがこえーんだよ、本当に。 いよいよ最後。 最後って言うなよ。 会社が最後。 しかし、その不精ひげは?なんかね、水害あったからね、なんか気分が乗らない。 天気はすっきりしてるけども、気分が乗らない。
芽衣子が着たときのほうがかわいかったって。 芽衣子と一緒って言われない七五三の夜、孝之君の家をお父ちゃんが訪ねました。 芽衣子着てた?こういうことに疎いのは、男親の常。 芽衣子だ、芽衣子。 芽衣子だ。 芽衣子さんと次男、和寛さんの七五三でした。 家族の成長を記録するビデオや写真は、そのときのやり取りさえ、思い出させることもあります。 では高畑さんの家族写真、こちらです。 草野さんの家族写真もございます。 ただなんか、正月に一度は家族そろって写真館に行って、写真を撮ろうという。
また兄の影響もあるから、全員野球やってるんですよ。 本当に石田さんチじゃないですけども、洗濯1日3回、4回。 1か月、米60キロですよ!1階が壊滅状態のわが家で、お父ちゃんが何やら準備開始!あれこれたくさん買い込んで、一体、何を始めるの?来られる者は全員、実家に集合しろ。 これ1つのリビングにするの?ワンフロアだよ。 修繕費用はざっと見積もっただけでも600万円以上。 写真屋さんも駆けつけて、恒例の記念写真。 リビングを飾ってきた石田さんチの歴史に、また新たな一枚が加わります。