加穂子?もしかして寝てた?あっ ごめん ちょっと昨夜 遅かったから…どうしたの? あれからどうなったのかなと思って。 えっ でも 昨夜もろくに寝てないんでしょ?何てことないわよ これぐらいそれより加穂子何が?ママ 本気で反対するって言ってたけど それってどういうことなのかなと思って。 えっ? それって あのうわ~ すっげぇ すっばらしい!のほうの感動じゃないよね?どうしても初君と結婚する気なら親子の縁を切ってからにしてね加穂子。 おっ おっ 何か思い付いたか?ばぁばは加穂子にメソメソされるのは嫌だと思う。
♪~あっ 加穂子。 加穂子 じぃじは もうダメだ。 「浮気相手が家に乗り込んで来た時逃げ出してごめんね」とか。 あぁ~…! 加穂子 何考えてんのこんな時に。 ばぁば加穂子は初君と結婚します。 加穂子 頑張るから。 去年の夏みたいにみんなで海水浴行って もしもし。 早まったことしないでよ!ヤバい ヤバい…!衛おじちゃん もしかしてもう出しちゃった? 離婚届。 加穂子ちゃんに待ってって言われたから。
そんなに大切なもの手放しちゃっていいのかな?そんなことしたらさ 糸ちゃんのハートとか 魂みたいなものがなくなっちゃうんじゃないかな?音楽が大好きでみんなのこと すっごく幸せにできる糸ちゃんがいなくなっちゃうんじゃないかな?そんなの絶対嫌だよ 加穂子は。 フゥ~!じゃあ そのデッカいバイオリンもちゃっちゃと売っちゃって今夜は パ~っと行こっか!よっしゃ!乗って乗って! おい。
ウ… ウソ?おぉ 加穂子! …と初君。 えっ? 加穂子 元気?相変わらず過保護?あっ おかげさまで。 お父さんも何か言ったら?加穂子から聞いたけどもう 「明日 明日」って言わなくなったんだろ。 あの… こういう子供達がさ気軽に遊びに来れたりとか勉強したりできるような場所ってあるのかな?何で そういうこと考えるんだ?加穂子。 私と加穂子に負けないぐらい愛情を注がれて育つ施設でもあり 託児所でもあり塾でもあり保育園でもあるようなそういう場所をつくりたいの。 ほら 言ったでしょ 加穂子私 愛がない人間だからさ。
大丈夫 ありがとう 大丈夫これぐらい大丈夫。 ばぁば 加穂子だよ。 ママ ママ…加穂子からもお願い。 加穂子が言っちゃうと重みがなくなってしまって申し訳ないんだけど でも…。 ママ 大丈夫?体勢つらくないですか?うん…。 悪くなったら 大変だから! だからさ そんなこと分かってるって! 加穂子…。 これ ほら3人でママにプレゼントしたマフラーじゃない?これ 私が書いた手紙とか絵日記じゃん。
その反動で 加穂子のこと愛し過ぎたんじゃないの? でも 大事なのはその愛に ハァ ハァ…。 でも やっぱり来年も再来年もみんなで お誕生会やりたかった。 加穂子のこと…。 加穂子なら大丈夫よ。 誰よりも一番うちの家族のこと愛してるじゃないの。 どんなに つらくてもちゃんと寝てちゃんと食べて 加穂子…。 なぁ 何で いなくなっちゃったんだよ 加穂子!だから ここにいるって。