浅見光彦シリーズ48 幻香

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「名探偵でいらっしゃる 浅見さんにぜひ お願いしたいことが あります」「殺人事件に関係したことですが 警察には 知らせないでください」お待ちしています。 「お兄さんの 刑事局長さんにも絶対に 秘密です」おかしいわね。 陽一郎さんが 刑事局長だっていうことは一般の人は そうは 知らないはずよ。 江戸と日光を結ぶ 宿場町として 発展し武家や 商家の 蔵屋敷が 今に残る 蔵の街である市内を流れる 巴波川木材や 農産物を運ぶ 水運の要衝で川岸の白壁土蔵が その繁栄の歴史を 伝えているフゥ…。

東都大の農学部 出身で外資系の 化粧品メーカー コスメクィーン社に就職。 香水の開発研究に携わる 調香師の専門職に就いていました。 調香師?はい。 会社の 元 同僚も 調香師仲間も そう証言しています。 被害者の 戸村 浩二さんが調香を学んでいた 香料研究所です。 所長の 西原 哲也氏は 東都大 農学部の講師で戸村さんは そこの学生でした。 驚異的な 嗅覚と記憶力を お持ちで天然香料から 原産地と 収穫年度まで 言い当てる天才調香師と うたわれた方です。

あの手紙の差出人は いったい 誰なのか?なぜ 僕のことを 知っていたのか?帰国?国井 由香の帰国は 今月の4日だな。 いまだに 姿を現さないのは 何か不測の事態が 生じたのか?僕宛てに届いた この手紙は国井 由香 本人からのものに 間違いないでしょうね。 戸村 浩二の 遺族にも国井 由香からの連絡は ありません。 沼田皇漢製薬の 蒲生取締役とそれから 同社 香水研究所の 沼田 皇奈子です。 あの 沼田 皇奈子は 戸村 浩二さんと同じく国井 和男氏より 調香を 学んでます。

栃木県内の この4つの地名が 何を指しているのか思い当たることは ありませんか?湯西川は 父が 小学校まで 過ごしたところでおもちゃのまちは 母方の祖母が いますけど。 今市と 錦着山は?さあ?戸村さんが 何で これを 持っていたのか?ジャケットの 内ポケットから 発見されています。 だから 肌身離さず 持っていたのか?日光の奥座敷 川治温泉郷300年ほど前 男鹿川の氾濫によって発見された 湯の里である西原先生。

単なる 操縦ミスでは なかったんですね?あの悲劇を 引き起こしたものは 香水だよ。 国井先生が 開発した 究極の香水が まさに それだった。 でもね 国井先生が開発した 香水が私の母と あなたのお母さまの 命を 奪ってしまった。 父が開発した 香水があの悲劇を もたらしていたなんて。 沼田皇漢製薬 香水研究所の…。 沼田 皇奈子!?香水の市場は 世界が相手だ。 この事件は 新開発の 香水を巡って 起きていた。 しかし 香水が動機となると何とも 厄介な 事件になりそうだな。

国井先生への 偽りのない気持ちは尊敬から 憎しみに 変わってしまった。 国井先生が 預けた 香水ですね?先生が 亡くなる前に自宅の方に 訪ねてこられて これを。 国井先生の後継者として 第一に 挙げられるのは娘の 由香さんですけど。 国井先生は 調香師の道を 逸脱して悪魔のような香水を つくりだしてしまったのよ。 三位一体の 第三の香水。 栗山東照宮戊辰戦争の際 官軍の攻撃を 避けるために普通は 簡単に 鍵 貸してくれねえからね。

栃木市内の井崎商事の 井上と 田所です。 この田所は 掛水村駐在所の 田所巡査長の息子の 啓一ですね。 井崎商事の あの2人が 僕に 圧力をかけてきたのもそのためだと考えれば…。 でも 何で?国井先生が つくりだした 三位一体の香水。 香水の秘密?その三位一体の香水の 特許を 出願した真意ですが。 大麻のにおいを 嗅ぎ取った 井崎商事の 田所 啓一です。 井崎商事のバックには 蒲生 慎司。 国井先生が 研究開発した 三位一体の香水。