そして 人生の最後を飾る 葬儀のご用命は ぜひとも石原葬儀社に お申しつけくださいませ。 じゃあ 今度の連休に泊まる ホテルを確保するためにアスカ・リゾート 買収したんですか?「そういうことですなあ。 安い買い物ってなまんじゅう2つほど 買収してくる 話と また違うんやぞ。 おまんじゅうやったら うちにも買収できます。 買収できるか 2つほど やってきてもらうか。 お仏壇に 供えてあるやつ 買収してきます。 確か 今日 黒沢先生のお誕生日でしたね?そうなのよ~。
呉服屋やってましたらな 樟脳のにおいも好きになるし消毒液も 同じような においしまっしゃろ。 完全に 変装したつもりやったけどなやっぱり ちょっと 口が目立ったかな アハハハッ。 ほな まあ 裏木戸があるからな。 裏木戸?ああ 今は 誰も使うてへん 裏木戸でなその裏木戸から 誰にも分からんように直接 離れに 入ることができんやわ。 黒沢先生。 今 言ってた お雑煮って 何?おばさまの大好物なの。 お雑煮? 面白い人だね。 黒沢先生 大切なお時間 誠に申し訳ございません。
遠山のご長男さんから至急に葬儀を出してもらいたい っちゅうことなんでございますが。 せやから この葬儀は 俺が仕切る。 何やてわたしは 石原葬儀社のもんでございますが。 あの 我が社の社長の 石原明子でございます。 ですから 今日中にお通夜 明日 告別式というのはちょっと難しいかと…。 葬儀屋さんは 大変かもしれませんがとにかく 今晩 お通夜をやってもらえませんか?ですが…。 遠山志津の秘書をしております江藤エリと申します。
たとえ 血がつながってなくたって 息子たちが そんなじゃ確かに 明子の言うとおり 遠山さん かわいそうだな。 …で その後継者を決める 創業記念日を1か月後に控えてたわけか。 明子はん!あっ… はい はい これ遺品でございます。 あっ 京都のね 葬儀の風習でですね亡くなられた方が 戻ってこれないようにって生前 ご愛用になってました お茶わんを出棺のときに パ~ンと割ることになっております。 エリさんは 遠山呉服店には どのくらい?3年です。
何とかしてって… そんなもん あきまへん!予定していた3時には 間に合わないかもしれないけど2時間遅れぐらいで 何とかなるから。 田所康雄さんといって親の代から 遠山呉服店の 下請けをしていた人なんです。 あ~! ちょっ… こっ これ!狩矢さん どうでしたか?明子さんの推理どおり入れ歯に挟まった繊維は あの台ぶきんのものでした。 推測するに遠山志津さんが 口いっぱいに 餅をほおばったとき何者かが 台ぶきんで その 鼻と口を押さえた。 ちょっと諸事情があって 何時に 終わるか分からないそうなのよ。
ほな 葬儀屋さん そうしましょ。 あの まあ 本来だと ご親族全員がいらっしゃるほうが故人の方も喜んでいただけると 思うんですがどうしてもということでしたら お帰りいただいて結構です…。 こんなこと 葬儀屋のすることですか!本当にごめんなさい。 ちょっと 座ってないで立て!それで あの志津さん 遠山の奥さんは明子はんの探偵ごっこも たまには 役に立つっちゅうことですわな。 言わんか!一級 葬祭ディレクターですよ。 大丈夫 大丈夫 もう出来た。
その 田所って男に 動機は?それがあるのよ。 おばさまが亡くなった日裏木戸の脇に咲いてた花が 荒らされてたの。 確か 田所さんの奥さんの 頼子さんが着けていたような…。 もう一度 田所さんとこ行って奥さんの頼子さんに 話を聞いてみようか。 田所頼子さんですか?どちらはんですか?遠山志津さんの 葬儀を 請け負いました 石原と申します。 これ… なくされませんでした?おととい 遠山志津さんに 呼ばれたそうですがお会いになったんですか?あっ ちょっ ちょっと待って。 関西のお雑煮って 白味噌だよな?うん。
これにて 石原葬儀社 失礼させていただきます。 実は 田所頼子さんの 死体が発見されました。 田所さんの奥さんが会ったのは 真犯人だなあ。 脅されたというよりは遠山志津さんを殺した犯人 かばってたのかもしれない…。 もし そうだとすると夫にも 言えなかったということは犯人とは かなり 親しかったということだろう?今 犯人の可能性のある人は…。 美加子さんは どうして 一緒に行かれなかったんですか?別に 理由はないけど?京料理は 薄味だから お口に合わない?当たり。
千代菊ねえさんは 祇園一の 売れっ子芸妓どした。 この やや子は 間違いのう 千代菊さんの子どす。 ただ?この間うち千代菊さんが テレビや新聞で 話題になりましたでっしゃろ。 ホテルの 買収の件ですか?あれは 千代菊さんの 純愛から来たものなんどす。 遠山志津さんのご葬儀に いらしてましたよね?あなた方は?この写真の方 覚えてらっしゃいますか?子供?確かに わたしは 千代菊を愛していました。 いや わたしは 妻や子を捨てても千代菊と 一緒になろうと思っていました。
そのお雑煮が 関東風のしょうゆ味 澄まし汁だったんです。 もし 自分で作るとしたら 白味噌のお雑煮ですよね。 ということは関東出身の人間が 犯人や いうことやな。 犯人は 最初 食事中の事故に見せかけてお餅を のどに詰まらせての 事故死ということになりますから。 しかし 万が一 殺人事件として調べられ遺体を司法解剖されたとき 自分が容疑者にならないようおばさまが食べたお雑煮と 同じものを再現してみたんです。 味付けは 関東風なのに 中の具が 京都風だったんです。