突然の 訃報に 接し しばし あ然として長年の 体験に 基づいた 貴重な ご意見が我々の 捜査に どれほど 役立った ことか。 時には 厳しく 時には 優しく 未熟な 私たちを教え 導いて くださった あなたの お顔をやめなさい やめなさい！ こんな しょうも ないこと やめなさい！秋山さん。 アハハハ。 行こう！行こう！ アハハハハハ。 石原葬儀社の 石原 明子で ございます。 一級葬祭 ディレクターの 秋山で ございます。
えー 「心臓麻痺」 はい。 えー それでは あの お通夜も 告別式もこの お屋敷で 執り行うと いうことで ございますか？ええ。 「ニトロ」？奥さまは 心臓が お悪いので発作が 起きたときの 用心のために いつも そのテープをお芝居 見物やら いろいろと。 それで 急いで あちらの 部屋へ 寝かせてからかかりつけの 田村先生 お呼び したんですけど。 お医者さまを？救急車 呼ばなかったんですか？田村医院は すぐ 近くですよって 救急車より 早いんですわ。
他人さんの 写真 持ってきて どないしますん！？何 言うとりますのん！？何か お手伝い することでも？ あっ。 言うときますが 香典泥棒っちゅうのが たまにこう 紛れ込んで くることが ありますから十分に 気を付けて ください。 テキパキして 気持ちの ええ方ですな。 えっ？あの二人 隣に 住んでる 比良山 親子ですわ。 どうやら わたしは 石原葬儀社に とっては 疫病神の ようですな。 プライベートな ことで 事件とは 全く 関係が ありませんから。 プライベート。
ですから こちらの 奥さま つまり 工藤 美也子さんは離れの お風呂場で 発作を 起こして 倒れて駆けつけた 医師に よって 死亡が 確認された。 いったんは 確かに 息を 引き取った 美也子さんはまるで オカルト映画 みたいですよね。 美也子さんは 初め自分の身に 何が 起きたのか 分からなかったと 思います。 でも 美也子さんは 他人に素顔を 見せるのを 何よりも 嫌がってた 人だって いいますから。 美也子さんが もう 一度 発作を 起こしたんなら その場で倒れてる はずじゃ ないですか。
亡くならはった 美也子さんも分かってるわ。 もし いるんだと したら美也子さんが 最初に 発作を 起こして 死んだときは会社に いたことは 間違いないの。 と いうことは 謙一郎が 何かで 離れに 様子を 見に行き…。 そこで 息を 吹き返した 美也子さんを 見て。 で 二番目の 容疑者は？その謙一郎の 妹の 小山 恵美ね。 で アリバイは？謙一郎と 同じ。
おっしゃるとおり 凶器は離れの 浴室に あった バスタオルですよ。 まさか あの人？旦那さまの 秘書？千沙子さん ですか？「千沙子さん」？沖 千沙子。 千沙子さんに 何か？あ… ええ。 千沙子さんは 亡くなった 奥さまの 遠縁に あたり今の 会社にも 奥さまの 口ききで 入ったんです。 そやから 千沙子さんに とって 奥さまは 大恩人ですがな。 「大恩人」？その奥さまを 裏切るような こと「スパイ」？ハハハ。
社長秘書ですから 社用は もちろん プライベートな 用件でも謙一郎と 行動を 共に することは よく ありますが その先で何が 起きて いるのか 今のところ まだ つかみきれて いません。 とにかく 美也子夫人 殺しに 関してはアリバイは あるって ことですね？ いや。
いい？ 比良山が 彼女が 美也子さんを殺したんだって ことに 気づいたと してよ？黙っててあげる 代わりにって 脅迫して…。 えん恨？美也子さんが 心臓麻痺で 死んだって 思われた 後も花江さんだったら 何回か 様子を 見に行った はずだし。 美也子さんを 殺した後 花江さんは 遺体を 元どおりに寝かせて 何事も なかったかの ように 見せかけようと した。 だとしたら 花江さんは 美也子の 義理の 母親 だったかも？ほかの 手がかりと 合わせて 早速 調べて みましょう。
だから 何？でも 美也子さんの 本当の 目的は 違ったんじゃ ありません？彼女は 異常な までに 嫉妬深い 性格で 自分が夫の 謙一郎さんよりも 年上で あることを ひどく 気にしてきっと 浮気を しているに 違いないって 思い込んでいた。
でも本当は 仕事一筋の まじめな人で わたしの 知る限りではわたしたちの 調べでも 彼が 浮気を していた 形跡は なかった。 しかし 美也子夫人は 君の報告を 信じなかった。 そんな 美也子さんの 自分勝手な さいぎ心にそれが 殺人の 動機だな？ いいえ。 ん？比良山 伸彦 殺しも 彼女だったんですか？これは 推測に 過ぎませんが 比良山としては話を聞いて カッとなった 美也子が 夫の 謙一郎をモーテルに しけ込んで 携帯の 電源も 切った。