社長！奈緒子の夫である 宗佑がまた その行方を くらましたのでございます度重なる失踪に 奈緒子は…息子の宗佑を 肝心なところで甘やかしてんじゃないかって。 ですが…奈緒子さん 覚悟が あるさかい大女将に向かって 宗佑坊ちゃまを 勘当してほしいやなんて意見が 言えたんやないかと。 ん？そして 奈緒子の友人である 今日子の下宿屋に 隠れていた宗佑も また…宗佑には 愛想も 尽き果てたし。
この人形 奈緒子さんに 似とるやろ。 ほれは 宗佑坊ちゃまが奈緒子さんに 似とるからと 買うてきた 人形ですさかい。 えっ？ほいで この 奈緒子さんのと 一緒に並べて 飾っといたらけなげな妻や。 今度は 勝手に お母さんを 借金の保証人にして行方を くらませるなんて どういうことよ？いやいや。 保証人のことは ちゃんと話そうと 思ってたんです。 俺 あの人に 説教 受けたんだよね？でもね 奈緒子。 だったら きっと 保証人のこともそんなには 怒ってないって。 もしもし？ お母さん？奈緒子です。
親が 心配してやらんで 誰が 心配してあげるんや？ほんで？ 今 宗佑は？もうすぐ 奈緒子さんが 連れて 戻ってきます。 ほんなら 今度は 言い渡すことになるんやな？奈緒子さんに 意見されたんやろ？今度という 今度は 勘当してもらいますって。 庭の手入れをしながら大女将が お戻りになるまで そのう…。 私は 大女将の 味方ですさかい。 老舗旅館 かぐらやの大女将が そんなことではこの 金沢の嫁姑 ひいては 日本中の嫁姑に示しが つかんのでは ありませんか？ただ今 戻りました。 大女将。