直しに直しを 重ねた この改革案があと 1行で 完成するんだ。 かぐらやの 「シニア向け改革案」 ああ。 大女将に 提案させていただく前に奈緒子さんに 一度 目を通していただきたくて。 うん?俊平さんがシニアの お客さまに向けた 改革案を まとめてくれたんです。 ほれで シニア向けの改革案か。 ほなら 俊平さんの提案を 聞いてみて一度 真剣に 考えてみることにするかいね?うん。
翔太坊ちゃまは 地元の大学には 合格されたんですさかい。 ねっ?ここは 大女将や 旦那さまの おっしゃるように地元の大学に 行かれた方が いいがと違いますか?ほしたら 私も また翔太坊ちゃまの お世話が できますし。 けど 俺は 東京で やりたいこと 見つけて宗佑叔父さんみたいに 将来 それを 仕事にしたくて。 宗佑叔父さんさえ 事業 成功させてくれてたら望みは あったのに。 翔太には 地元の大学に行ってちゃんとしたところに 就職してまっとうに 生きてってもらいたいんや。
今 俊平さんに金沢のこと 教えてもらってるのよ 咲子さん。 俊平さんが 提案してくれた シニア向けの改革案のこと。 よく できていたので早速 大女将に 報告しました。 それで 今から 大女将と一緒に 観光協会まで 行ってきますのでほら。 迷惑だなんてそんなことは ないわよね?俊平さん。 実家のある 能登に 戻ったことは 知っていたがこの 金沢の かぐらやで 支配人をしてるとはな。 東京の ルッツホテルに 勤めていたときの 同僚です。
ここも どうせ 縁故で 働かせてもらってんだろ?実家は 能登の和倉温泉にある 老舗旅館だからな。 俊平さん もう 支配人に なられたんですからもう こんなことは。 あの ルッツホテルで 企画推進の お仕事を。 世界のVIPも お泊まりになる ホテルですよね。 そんなVIPな お客さまがいかに ホテルライフを 有意義に過ごして 楽しめるかそれを 考えていくのが 私の仕事ですよ。 そうはいっても 支配人なんだろ?この旅館の経営のことを もっと考えるのが 仕事だろうが。