わしは 織田家 嫡男 織田 信長じゃ。 織田 信長?お主 名は 何と申す?サブローですけど。 わしの代わりに 織田 信長として生きてくれぬか?はい?若。 もしかして俺に 信長 やれって 言ってる?いかにも。 お主に 織田 信長の 証しとして これを やろう。 よいか? もし お主が 偽者と知られたらそのときは 織田家 家臣に 切り殺されるぞ。 ええっ!?はっ!信長さま!ご無事でございましたか。 こういうのは 何か 違う感じっすか?どうされたのですか?いつもの 聡明で お優しい 信長さまでは ないような。
私が あの有名な 天下を取る 織田 信長です。 信長さまでございますか?誰か 助けて。 あっ!教科書 教科書。 教科書。 どこだよ? 教科書!お父上の 信秀さまも 決めかねておられるのです。 そうなの!?とはいえ本来 家を継がれるのは 嫡男である 信長さま。 つまり 信行さまにとって 信長さまは邪魔者以外の 何者でもない。 どんな 複雑な 家庭環境なんだよ? この家族!だからか。 信長さま。 いつの日か 織田家が その名を日の本中に 知らしめるほど 大きな 大名になること。
それに比べ わが 織田家の力が 届くのは尾張の 下四郡のみ。 こんだけ!?しかも 美濃を治める斎藤 道三殿というのは美濃のまむしと 呼ばれ 恐れられるほどの 残虐な男。 何で そんな女 嫁にしてんだよ?美濃と 戦にならぬよう お館さまが道三殿に 頼み込み 帰蝶さまを もらい受けたのです。 つまり 織田家にとって 帰蝶さまは 命綱。 明日は 帰蝶さまの兄 斎藤 義龍殿が いらっしゃる故。 もし そこで帰蝶さまに 不満の一つでも 漏らされますと それを 口実に美濃は 尾張に 戦を 仕掛けるかもしれません。
目を離した隙に帰蝶さまが いなくなったと。 信秀殿。 帰蝶さま!ねえ?もう 帰ろうよ。 あの方なら帰蝶さまを さらうくらい やりかねませぬ。 帰蝶 どうなっちゃうの?最悪の場合 お命は。 信秀殿。 えっ?帰蝶さまの身に何か あれば 道三は 戦を 仕掛けてくるでしょう。 こういうの 違うだろ?何のことですかな?♪信秀殿。 信長殿と 信行殿。 信秀さまは 殿の あの お姿に織田家の未来を 託されたのですぞ。 織田家 嫡男であれば お父上の その ご遺志を。 わしと 信秀殿とで 奪い合った あの地のことじゃ。
無傷で 領地を広げた 信清は私の父も。 この織田家を 支えてくれた 家臣じゃないか。 なっ?何だと?えっ? 挙兵って 何?なぜ 分からぬ!?信行が 兵を挙げたのだ!兵を挙げる?戦じゃ!織田家が 2つに分かれて 戦を 始めるのじゃ。 この織田 信清 織田 信長公の 加勢をいたす。 おう!何故じゃ?何故 あの男が?信長さまから 領地を 譲渡されその ご恩に 報いるためと。 信清さまは一気に 敵の本陣まで 突き進んでおります。 ご采配を!信行さま。