建築学科 1年の 早川 律です。 建築家に なりたいと 言ったね。 ずっと 離れてた 息子が 建築家志望で目の前に 現れたんだぞ。 じゃあ 今日は お祝いにお赤飯 炊いちゃおうかしら。 今は まだ 分からないことばかりですけど一生懸命 頑張りますので よろしく お願いします。 当面は 電話受けと 資料整理だが慣れてきたら 図面も 手伝ってもらうつもりだ。 そういえば 律の もう一つのバイト どうなったの?今日からなの。 建築家になるの。 今日こそ 一緒に お弁当 食べませんか?えっ?大丈夫ですよ。
例えば 若い夫婦が 家の どこからでも赤ちゃんを見てられる 空間なんて すてきだろ?でも それだけじゃ 駄目だ。 設計は その人の 明るい未来の 手伝いをすることが できるんだ。 僕も 一柳先生みたいな 建築家に なりたいってそう 思いました。 まだ たった一日だけど実際の現場は 講義と違うんだって 驚かされることばっかりだった。 それに 一柳先生が ホントに いい人なんだ。 建築が 人に 寄り添える 仕事なんだって 教えてくれたんだ。
えっ?先生が いい人なのは よかったけど律兄ぃ 最近 全然 付き合ってくれないんだもん。 大丈夫なの?土日は バイト 休みだから大丈夫。 今 話してても 大丈夫ですか?あした みんなで みさきに 行くんです。 お母さんの おかげで 食べられるように なったから一柳先生も もしかしたらって 思って。 私 あした 高校のときの 同窓会でお昼前には 出ちゃうけど 大丈夫?ああ。 一柳先生は 真也さんを ご存じなんですか?彼女とは かつて 恋人同士でした。 私は 路加の父親なんです。