その方々の なした 和子さまが ５７人これは 歴代で 最多にございます面白きこと 見目良きことの 大好きな 上様が何よりも お好きだったのはご自分の お体と 子づくりにございました牛の乳が 滋養になると聞けばバターを作り お召し上がりになりうむ。
男を そっと 手で差し招いて 奈落に引き落とすような上様は ご存じなのですか？将軍となられる前 家治さま 家基さまの身に起こったことを。 普通なら めでたし めでたしでございます…が そこは オットセイ将軍といわれたわれらが上様 家斉公のことお楽さまのことなど すっかり お忘れになったかのように…次々と お気に入りをつくっては お戯れになりお楽さま。 女中たちの噂によると 下谷の海光寺という寺に当代の菊五郎に よく似た日遠なる 眉目秀麗の 僧侶がいるというのです。
目覚ましい ご出世を遂げられ新御番頭格奥勤めとなり１，５００石から ２，０００石に ご加増され日啓さまは 見目麗しい お坊さまばかり揃えてお迎えになりました寺の奥では 日ごと 夜ごとひそやかな 酒池肉林の宴が 開かれていたのでございます眉をひそめて ご覧になっている お方がありましたすご腕の寺社奉行 脇坂 淡路守さまです上様のご側室を 「女ども」とは。
智泉院に向かう 参道で寺社奉行 脇坂 淡路守に 襲われたと。 月に一度の 今日の日を一日千秋の思いで お待ちしておりました。 期待された 若君では ございませんでしたが一方 敏次郎君は お健やかに ５歳を迎えられいよいよ お墨付きをという声が 内外に高まってまいりましたこれは 敏次郎君に お祝いの品にございます。 将軍職を継げずに 亡くなられた方の お恨みがこのところ 和子さまが 次々に亡くなられまた 息絶えて お生まれになるのはご先祖さまの たたりにございます。