有名な脳神経外科医だったのになぜ うちの解析診断部に来たのか。 白州会 西東京総合病院で 働きだしたのは１年半前からでその前は 海外の病院を 回っていたらしい。 私なんかよりも北畠先生に聞かれたら どうですか？うちの院長ですか？橘先生をこの病院に紹介してくれたのは 北畠先生ですから。 薬物中毒は救命救急で既に疑われて検査済み。 睡眠時無呼吸症候群とか ナルコレプシーの脱力発作は？発作的に睡眠に入って転落してしまうことも 考えられる。 一過性脳虚血性発作は？突然 まひが出て 転落したとか。
白州会 西東京総合病院に橘先生を紹介したのが 北畠院長だと。 新田先生は相変わらず 橘先生に 興味があるんですね。 誰一人 橘先生が海外の どの病院にいたか 知りません。 ふっ 橘先生が海外の病院にいたのは事実ですよ。 じゃあ なぜ 秘密になってるんですか？何か 隠す必要があるからじゃ ないですか？脳外科として名をはせていた 橘先生がこの病院の 解析診断部に来た理由海外にいたときは どこか特定の病院に籍を置いていたわけでは ないようです。
橘先生 何よ？奥山さんは うそついてません。 奥山さんの脳のＭＲＩ画像です。 あっ ちょっと… えっ？この展望台の風景を奥山さんに 絵に描いてもらいました。 展望台の左端にある工事現場奥山さんが落下した場所が 描かれていません。 奥山さんは 左側半分に見えているものを自殺しようとして飛び降りたんじゃ なかったんですね。 右頭頂葉の この梗塞をなくせば半側空間無視は解消される。 最初から わかってたんですか？奥山さんの半側空間無視。 だから 田丸先生に 展望台に行ってもらったの。
由美子さんの話によれば 過去にも一時的に スマホの使い方が わからなくなったり自分の名前を 書けなくなったりしてたらしいわ。 この前の半側空間無視といい 他人の手症候群といいこうも続けざまに 脳梗塞が起こるなんて一体 何が？新しい梗塞が見つかった場所に 脳細胞のえ死は見当たりません。 恐らく これまでも 軽度の脳梗塞を起こしては自然回復をしてを 繰り返していたと思われます。 心房細動で出来た血栓が血流に乗り 脳まで飛んで 脳梗塞を引き起こす。
マイクロバブルテストですか？ 超微細な泡を血液に流し込んで血流を見るテストですよね？なぜ それを？奥山さんの脳梗塞の原因は 心臓にあるからよ。 マイクロバブルは 血流に乗って心臓に到着します。 マイクロバブル 右心房に達しました。 右心房から左心房にマイクロバブルが流れ込んでる。 卵円孔開存症よ。 卵円孔開存症とは左右の心房の間の壁心房中隔の中央に 穴が開いている症状のこと。 しかし これが閉じずに残っている状態これが卵円孔開存症。 卵円孔開存症は心房の壁の一部が 弁のようになって通常は くっついている。
このため 静脈内の僅かな血栓が卵円孔を通過して 左心房に流れ込みそれが 脳に達して 脳梗塞を引き起こしていた。 他人の手症候群を発症する前に風船を膨らませていたと 由美子さんが おっしゃってた。 卵円孔開存症なら カテーテルを使ってアンプラッツァー閉鎖栓で 穴を塞げば 症状は改善される。 珍しい症状の病気の数々と 脳梗塞に気を奪われて心臓の不具合に気付くのが 遅れました。 橘先生 田丸先生 ありがとうございます。 解析診断部の先生方が快適に仕事なさってるかな と思っただけで。