私が知ってる未芙由はね…。 《未芙由ちゃんはね東京に行って戻ってこないからお父さんが大好きで甘えてて。 人の能力を買うお金が無いなら自分が賢くなるしかない未芙由。 高校時代はバドミントンやってたんですよ。 3年になってすぐ母親の看病で辞めなければスポーツ推薦も取れてたかもって高校の先輩が。 バドミントンか。 親戚が東京で入院しててあしたそのお見舞いに行くの。 じゃあ今日は未芙由の部屋に泊まったら?お客さま用の布団もあるから。
旦那さんは私が邪魔ですか?えっ?どうしてそんな?この前女の人と…。 何かいつの間にか一緒にそこに座ってるみたいな感じ?お前一人で子供つくったわけじゃないんだから何かあっても半分は旦那の責任だって。 まあ彼女も見舞いさえ終われば帰るんだろうしそんなに気にすることないんじゃないか?それより何か欲しいものは?提案なんだが気分転換に買い物とかどう?うん?いや。 仁美さんいない分私頑張りますよ。 …ことでご意見を伺いたいって言ったら迷惑ですか?子供のころから何一つ自分の思うことできなくて。
どうして?「どうして?」子供のときにね近所の家に遊びに行ったら時々「ご飯一緒に食べていきなさいよ」って誘ってくれたの。 あれ私がもらわなければ全部未芙由ちゃんのものになったのかな?困るよ。 覚えてる?前に買ったジャケット。 あのジャケット。 秀幸は私の収入が給料だけになったらどう思う?ちょっとちょっと。 何?おっさんの新しい若い女に敗北宣言?情けないな。 2人一緒だったら貧しくても平気とかそんなこと思ってないでしょ?私はそんなに金持ちじゃなくていいんだけどな。 秀幸はさちゃんと大学出てるでしょ?だから…。