この女性が撮った一枚の写真のせいでさくらさんは大忙しになり私の大事な話もそのままになってしまった帰るんだったら名前書いてってね。 入りたくても入れないでしょ!?あんた何やらかしたの?窃盗?カツアゲ?親子丼食べてる暇あったら学校行きなさいよ?学校行ってよ。 何なのよ?そのインスタントって。 インスタントじゃなくてインスタだよ。 いらねえのはてめえだろうが!しばらくしてインスタの騒動も収まりまたいつもの九十九堂に戻ったけどさくらさんは相変わらず…あのさ。 嫌なんでしょ?ここにいろんな連中が親子丼食べに来るの。
あん!?剛志。 この野郎。 早く刺せっつってんだよ!この野郎!うっす。 海東会の若頭だ。 知ってんだろ?毎晩律義にスケのところに通ってんだ。 あの子ねそれどころか何か急によそよそしくなってホント言うとねもうどうしていいか分かんないのよ。 ホントにこの私がね。 眼鏡。 眼鏡。 あれ?俺の親子丼は?ない。 ない!?あんたに食べさせる親子丼はない。 えっ?私が作る親子丼はね人間が生きていくためにあるの。 これから死のうとする人間のために作ることはできないわ。 剛志。 いいから俺の親子丼作れよ。
えっ?剛志会いに行ったの?それが…。 剛志さんの話だと13年前一家心中する前に家族でご飯を食べたときにお母さんは親子丼をおいしそうに食べていたそうだ「その明くる日もごんはクリを持って兵十のうちへ出掛けました」「兵十は物置で…」剛志さんは医者にお母さんは一生こんな感じなのかと聞いた医者は何かのショックで元へ戻るという奇跡はあり得ると答えたそうださくらさんの親子丼を食べればお母さんがあのときの記憶を呼び戻すのではないか?どう?おいしい。 大穴屋ですか?そこで働いている松島剛志さんって今…。