祐介君じゃありません。 死んだ祐介を抱いてあなたは甲府行きの電車乗ったんです。 祐介君。 30年間浅利祐介として生きてきたこの男が実は光男だったと考えりゃ何もかも辻褄が合う。 祐介があんたの息子だからこそこのとんでもねえからくり察することができたんです。 それともその人が祐介君殺したとでも言ったんですか?死ぬ前に。 僕は柳瀬光男だ。 私たちの息子の浅利祐介よ。 息子の光男は行方不明でおまけにやつはその行方を頑として言おうとしない。
お前が柳瀬の弁護人を引き受けるって言いだしたあの日まで。 僕が殺人犯の子でなくなれば代わりに誰かがその負い目を背負う。 こんなことなら柳瀬が犯人の方がましだった。 何を言ってるの?僕の代わりに殺人犯の子と後ろ指を指されるのは河村礼菜さんだ。 あの子が?まさか真犯人って…。 そんな!?間違いないのか?河村は事件から3年後別のトラブルで殺されている。 河村礼菜さんでしょ?所長の澤田です。 でも先日祐介さんのお母さんが私のところへ来て…。 祐介のおふくろさんが?真犯人が分かったっておっしゃってました。
柳瀬光男が見つかった。 僕が柳瀬光男だったんだ。 祐介さんが光男なわけないもの。 柳瀬は2人を入れ替えることで光男の身の安全を図ろうとした。 その計算どおり僕は何も知らずに祐介として養父母の元でぬくぬくと…。 礼菜さん!祐介さんは平気なの?平気なわけない。 柳瀬が光男と祐介を入れ替えたことに。 その一方で礼菜さんは殺人犯河村真二の娘として世間の目にさらされる。 ギブアップするか?そうなりゃ柳瀬のもくろみどおり遠からずやつは死刑執行されて表向きは丸く収まる。