特急東洋の車内を舞台とした あの…「夜の9時半…」「ここに 字が刻まれています」「あの子が 黒井戸さんを 殺すわけがない」名探偵と その助手が 黒井戸氏 殺人事件の謎に挑む!「全員 アリバイがあるという…」 「そこに足跡が!」「予定が狂った」誰も予測のつかない結末に 向かってミステリー史に残る推理劇が 今 始まる!「皆さん 全員が 何らかの嘘を ついていらっしゃる」「許すわけにはゆきません」 「だまされちゃ駄目だ!」「真犯人が… そこにいます」記録に残しておいた方が いいと思いまして。
黒井戸さん。 黒井戸さん?やっぱり 落ち込んでたわね~。 そしたら 黒井戸さんね「すぐに 猪の湯に行ってみる」って おっしゃったから今は いませんよって。 「親父さえ ぽっくり逝ってくれれば全てが解決するのにな」そんなこと 花子ちゃんと話すと思う?姉は 想像力の塊だがたまに それが当たっているときも あるので 決して 侮れない夕方。 黒井戸さんに 関係してることかな。
今さっき 春夫君に会ってたんだよ。 先生は 兄の古いお友達で いらっしゃいますでしょ。 先生から 一度 財産分与のこと聞いてみてもらえないかしら?えっ?春夫は 血はつながっていなくとも兄の たった一人の息子。 お嬢さんが 春夫君と一緒になるんだからいいじゃないですか。 蘭堂先生 ご存じでしたっけ?ええ 以前。 黒井戸は 明らかに 気も そぞろといった様子でほとんど 食事に手を付けなかった窓が ちゃんと閉まっているか 確かめてもらえないか?結構。
何なの?黒井戸さんとこの執事の 袴田からです。 えっ!?黒井戸さん?旦那さま?黒井戸さん!入れてください 黒井戸さん!蹴破ってくれ!しかし…。 黒井戸さんは 死んで どのぐらい?死後30分といったところですか。 8時50分に 黒井戸さんと別れて 書斎を出ました。 その後に 黒井戸さんを 見た人はいませんね?ああ 9時半ごろに書斎の前を 通り掛かったんですが黒井戸さんが 誰かと 話している声を聞きました。 では 犯人は どうやって 中に?まあ 鍵は壊れてないので黒井戸さんが 招き入れた可能性が高いですな。
女中頭の来仙がどうしても 警察の方に お話ししたいことがあるらしく。 勝呂さん?あの方が どういうお方か ご存じないんですか?私立探偵ですよ。 警察は 春夫さんを疑ってます。 春夫さんを救ってあげられるのは 勝呂さんしかいないんです!それで こういうものを作ってみました。 品種改良されてるんですか?最終的には目指していますが 今は ただ実が まだ小さいときに こういうものに はめています。 勝呂さん 犯人を見つけてください。 地元の警察を あまり信頼していないようで。 世界的な名探偵と伺いました。
鬼怒川下り殺人事件で 勝呂先生とご一緒した 蛇口は私の同期なんです。 えー 柴先生は 8時50分には 黒井戸の屋敷を後にしています。 黒井戸家の関係者は これだけですがさらに 9時ちょうどに 犯行現場近くの地蔵の辻で柴先生が 復員服姿の男と 擦れ違っておりまた さらには9時半ごろに 近所のお堂で 女中頭の来仙が被害者の義理の息子である 兵藤 春夫の姿を見掛けています。 つまり 事件当夜 黒井戸の屋敷にいた人間には全員アリバイがある というわけですな。
最近 黒井戸さんを 怪しい男が 訪ねてこなかったか確認してみた方が いいかもしれませんねぇ。 やはり 兵藤 春夫が屋敷に忍び込み 短剣を盗みいったん 外に出て 書斎に 窓から入りそれで 黒井戸さんを殺害したと 考えるのがもっとも自然でしょう。 ところで ディクタホンとは 何ですか?な… 何か?書斎に 黒井戸さんがいたのになぜ そのとき 渡さなかったんでしょう?あっ 来客中に部屋に入ると黒井戸さんは えらくお怒りになるんです。
誰からの手紙だったんです?唐津 佐奈子さまでございます。 あの人は 確か 黒井戸さんと婚約を。 その手紙には 唐津 佐奈子さんを ゆすっていた人間の名前が書いてあったんですねぇ?そうです。 では 唐津さんを ゆすっていた人物が黒井戸さんを殺した。 ゆうべ 女中頭の来仙さんはここで 春夫君を見掛けたんですねぇ。 遺体発見現場で 椅子の位置を動かしましたか?答える義務はない。 黒井戸さんは 反対していたようですが理由は何だと思われますか?待ってください。
あの蘭堂という男は 名うての色事師で銀座のマダムやら 映画女優やらと やたら 浮名を流してるんです。 あなたの目は節穴ですか!ここです! ここ!これですか!?洗濯です!すぐに洗濯です!洗濯代は あなた持ちです!まったく!勝呂さん…。 勝呂さんがね沼で 女性用の指輪を見つけたんだよ。 音楽が大好きで 何と 蓄音機まで 作ってしまったんですよ。 婚約指輪だとしたら これ 花子さんの?指輪のことを知っているようには 見えませんでしたがねぇ。
弁護士の鱧瀬さんに言われて黒井戸さんが残した現金の整理を していたんです。 亡くなる日の午前中に 黒井戸さんは10万円の小切手を 現金に換えてるんです。 なくなってる!?この中にあったんですか?黒井戸さんは いつも ここに 現金をしまっていました。 何か 事件と関係が?旦那さまのお部屋の お掃除は女中の本多 明日香と 決まっております。 黒井戸さんの寝室から 現金がなくなってるんだが。 春夫に 女中頭の来仙さんに女中の明日香。
実験は成功ですか?袴田のお盆には 本当に グラスが2つ載っていましたか?あなたが まったく 理解できない。 通夜と葬儀は 黒井戸氏と唐津 佐奈子の姿を見せないってことは…。 ピクルス ピクルス。 明日 葬儀に立ち会ってある人物の様子を 報告してほしいんです。 袴田の?蘭堂先生です。 蘭堂の何を探れというんです?唐津 佐奈子のご主人が 亡くなったときはーい。 明日は 金子のおばあちゃんと 大利根のおじいちゃんとあと 村越のご隠居さんかしら。 おお ピクルスですか。
あと それから ほらほら 岩田さんの息子の友達でそんな話までしたんですか!?あなたね 外に漏らしたくない話はあたしにしたら駄目!勝呂さん 食い付いてたわよ~!あっ あと それから 勝呂さんに会ったら言っておいて。 事件があった夜に春夫君が履いていた げたの鼻緒の色は何色だったか。 殺されたって!勝呂に お任せあれ! 唐津さんをゆすっていた人物が黒井戸さんを殺した。 春夫君!私だよ。 春夫君! 春夫君…。 春夫君! 私だ…。 春夫君… 待ちなさい!春夫君!待て! 待ってくれ!姉さん もう いいよ。
勝呂さん そういう 自分一人が 分かっているふうな感じかわりましょうか?分かりました。 神社の境内で 刑事が 復員服の男を偶然 見つけたそうです。 麻薬中毒患者ではありませんか?よく分かりましたね。 い… いったい… お… 俺が何したっていうんだ!3月17日 黒井戸さんが殺された夜現場付近のあぜ道で お前を見掛けた人がいる。 素晴らしい!殺人事件に遭遇するなんてめったに あることでは ないですからね。 局長?勝呂さんよ。 あたしは局長代理。
事件現場から 一通の手紙が持ち去られました。 先日 亡くなられた 唐津 佐奈子さんから黒井戸さんに宛てた手紙です。 彼女の手紙が盗まれたことから 黒井戸さんを殺した人物は唐津さんをゆすっていたXと 同一人物と思われます。 唐津 佐奈子さんは つい最近まで かなりの額をXに支払っていました。 しかし 本多 明日香が 台所を離れたのは9時半。 ひょっとすると 明日香と 復員服の男はそれぞれ 別の人物と 待ち合わせていたのではないか?茶川 建造。
おとといも 春夫さんは 勝手口に現れました。 悔しいです!私が貧乏な家庭に 生まれたこともあり黒井戸さんは 私たちのことを 決して 許さないだろうと春夫さんは言いました。 ところが 何も知らない黒井戸さんは春夫さんと花子さんの結婚を 決めてしまわれました。 事件のあった夜春夫さんと会っていた 正確な時間が分かりますか?9時半に会う約束をしていました。 黒井戸さんの死亡推定時刻が 9時45分から10時の間。
卒倒するときに こぼれて事件の当日 黒井戸さんの机の上がぐしゃぐしゃになっているという 小さな事件がありました。 本当に 会話を聞いたんですか?どうして 信じてくれないんですか?黒井戸さんが 何と言ったか今も 正確に 覚えてらっしゃいますか?忘れました!柴先生が ぜーんぶ 書き留めてくれています。 数日前 黒井戸邸を訪ねてきた 人物のことを。 衝動買いにしては あまりに金額が高いので勝呂さんは 9時半に書斎にいたのは黒井戸さんだけだったと おっしゃりたいのですか?録音機相手に一人で?その可能性もあります。
あの人は犯人ではありません!春夫さんは どこにいるんですか?本当に知らないの?本当なんです。 春夫さん!私にとって それは極めて 居心地の悪い瞬間だった心配かけて すまない。 黒井戸さんが殺されて 春夫君が第一容疑者に。 そして 私は 家に帰る途中もう一度 春夫君に会いに行きました。 私は 春夫君を助けるためにできるだけのことをすると 誓いました。 ほとぼりが冷めるまで春夫君を かくまってほしいと頼むと…。 勝呂は 黒井戸 禄助氏を 殺した犯人を知っています。
あの晩 黒井戸さんが ディクタホンを使っていたとしたらそれは 今 どこにあるのでしょうか?吹き込んだ声を聞くことが できることにあります。 冷泉さんが聞いた声はディクタホンから 流れたものでした。 ディクタホンがなくなっているのが その証拠です。 しかし スイッチを入れなければ ディクタホンは動かない。 ディクタホンが入るだけの 大きめのかばんを持っていた人物。 ディクタホンを隠すのに 都合のよい 例えば…。