さて 今日は 本物に 出会えるのでしょうか？それでは 次のご依頼人です。 古今東西のあらゆる芸術作品に 精通した美術評論家でありアートビジネス界の権威だね。 この男に 彼女が 出会ってしまったのは 半年前。 彼が 特別講師として 美大に やって来たときだ。 《私が 先生のもとで 学んでるって知ったら 《こんな絵を推薦したら《今のうちに スケベなパトロンを見つけてそれっきり 連絡も取れなくなった。 巨乳美大生。 コンフィデンスマンの世界へ ようこそ。
バブル崩壊後 行方不明になっていた名画たちのいくつかを発掘し 一躍 名をはせた。 裏社会の顧客に 脱税資産や マネーロンダリングの手段としてひそかに売却し 大もうけしてるって噂だ。 ４５０万円で 落札。 ６２０万円で 落札。 ８００万円 他にありませんか？では ８００万円で 落札。 ワタシ 中国の 北京インターナショナルアートカンパニー日本担当バイヤー 王 秀馥デス。 中国のクライアント いい商品 高くても買います。
メーヘレンって？２０世紀最高の贋作画家だよ。 伴ちゃんはね あらゆる時代の絵の制作方法有名画家の タッチを知り尽くしてる。 ナチスに押収されブラックマーケットで 収集家の手から手へ渡りひそかに 日本へ。 その場合 一流の鑑定士が 本物だと言えば 本物になる。 まさか 本物ではないと思いますがピカソは 行方不明の作品も 多いと聞きますから 念のため。 父は 片田舎の 三流美術商だったので偽物をつかまされることも しばしば。
ネットで見たんだけど 山本 巌って画家の絵が何か えらい高値で売れたって。 沼田古美術堂の息子でもないし中国人バイヤー 王 秀馥さんでもない。 だから 有名アーティストの まだ見ぬ作品を発掘…。 違う！ 有名アーティストそのものを 発掘することよ。 そうかなぁ？人々は 絵そのものより作者や時代背景といった 情報そのものに価値を見いだすということだね？そのとおり。 誰が変えた？ゴッホを最初に評価した評論家よ。 評論家が 一番なりたいものは ゴッホを最初に見いだした人間。
「山本 巌」「１９０５年 貧しい農家に生まれる」「生まれつき病弱で絵を描くことだけが 生きがいだった」「アカデミックな絵の勉強をできず 全て独学」「ゴッホ アンリ・マティスに傾倒し萬 鉄五郎 前田 寛治らの 影響を受けた」「その作品の数々は今も農家の離れに 人知れず 眠っている」これです。 この時代に この若さでこれだけの絵を 描いていたというのは驚きです！日本的フォービズムの先駆者だ…。 キュビズムの影響が 早くも見られるってことにしちゃえばいいんだから。