川端弁護士。 どうした?何かあった?子どもシェルターでまた逃げられました。 逃げ出したのは子供じゃなくてね料理担当のスタッフ。 子どもシェルターの場所は極秘事項です。 場所を知ってるのは担当弁護士とスタッフと入居してる子供だけです。 シェルターに入っている子たちはみんな何らかの理由で逃げてきた子たちが多いんです。 シェルターに入ると弁護士からそのことを親に通告します。 子供の親権者として法律上正当な権利主張です。 われわれ弁護士が前面に立って子供を守ります。
実家に?母親に虐待されて2カ月前にここに逃げてきたんですけどね。 茜の方も毎日のように届く母親の反省の手紙を読んでいてまあ帰る気になったんですね。 私と桃子先生はもう少し残った方がいいって言ったんですけど川端先生の熱い思いで帰すことに決まりました。 ここはねシェルターっていってあなたみたいに親に虐待されたりなんかして帰る場所をなくした子供が緊急避難する場所なの。 携帯電話はスタッフに預けます」どうしたの?どうして?あんなやつが付けた名前もう使いたくない。 それでも彼女は何度も母親に助けを求めた。
桃子先生からメール頂きました。 茜さんが今日実家に帰るときのために買っておいたブラウス。 私はこういう卑劣な行動をする人間を許せません。 そのことを邪魔する権利はあんたたちにはないの!だからこんなことは許されないの!失礼します。 で連絡事項があったらこの日誌に書いておいてください。 まずは味方になってくれる大人がいる。 さくらさん一人で大丈夫ですかね?大丈夫よ。 犯人は17歳の少女でねその付添人をやったのが私。 逃げ出した人?料理担当のスタッフさん。 今日入居した…。
名前も名字も超ウケるんですけど。 カワイイ名前だね。 その子何て呼ぶ?確かに名前ないね。 ここに来る前に名前捨ててきたの。 母親の付けたくそみたいな名前。 俺も変えるか?思いっ切り男らしい名前にすんべ。 みんながお母さんのこと憎んで名前変えたいって気持ち分かるけどね。 だけどねお母さんだってあなたたちを産んで名前付けるときは産まれた子のこと一生懸命考えて名前を付けてくれたと思うの。 名前は大事よ。 あんなくそ女の付けた名前なんて一生付き合ってられっかよ。 あのバカ親父が付けそうな名前よ。