28歳][陸軍士官学校出のエリートだったが飛行技術は肩を並べる者がいないほどの実力を持っておりまた爆撃の名手でもあった][時は流れ開戦から3年がたったころアメリカは日本軍が占領していたフィリピンを足掛かりに日本本土へ上陸を図ろうとしていた][そんな中佐々木はフィリピンを拠点とする第四飛行師団で新たに結成された岩本が隊長となる部隊万朶隊の一員に任命された][だが彼はまだこの部隊の本当の任務を知らされてはいなかった]万朶隊はいったん岐阜県の飛行場に立ち寄った][よく見ればやりの先には起爆管がついており根本から
[万朶隊に連絡が入った][岩本隊長らは2機の戦闘機から攻撃を受けた][乗っていた機体は特攻専用に改造され銃器を取り外されていたため丸腰状態][マニラ近くの湖畔に墜落し[一方隊員たちは涙を抑えきれなかった][佐々木は前日の岩本の言葉を思い出していた][それでもいつまでも悲しんではいられなかった][ここには数日前に亡くなった岩本隊長ら4人の名が記された紙片が分骨の意味で入っていた][共に訓練を続けてきた隊長ら亡きメンバーの思いを胸に戦うためだ][この時点で万朶隊の乗組員は負傷中の者を除けば佐々木ら5名の下士官
2回目の出撃][死の覚悟はいつでもできていた][しかし空に舞い上がれば感動を覚えた][しかしペアを組む護衛機の隼が見当たらない][佐々木の機体は体当たり用に改造されているためもし空中戦になったら岩本のときと同様[これで万朶隊の特攻パイロットは佐々木と奥原2名のみとなり10日後となった3回目は特攻機は2機で出撃することに][佐々木は必死に走って逃げたが…]軍も佐々木の生存を認めないわけにはいかなくなり新聞には彼が生きていることが発表されている][だがその3日後には4回目の出撃を命ぜられた][これほど地位の違