あっ私が出した内容証明ですけどどうして桑野さんが？僕がこの旦那さんの家を設計することになったんです。 Ｔｅｌｌｍｅａｂｏｕｔｔｏｍｏｒｒｏｗ’ｓｍｅｅｔｉｎｇｐｌａｃｅａｎｄｔｉｍｅｂｙｅ−ｍａｉｌ、ＯＫ？イエス。 離婚するってことになったらこれ幸いとばかりに家を建てて１人で悠々とセカンドライフを過ごそうだなんて何だか許せないんです。
なぜあなたにそう断言できるんですか？設計するのはあなたでも出来た家に１人で住むか誰かと一緒に住むかなんてわからないじゃないですか。 趣味？つまりこの家全体がいかに快適に１人暮らしをするかその一点に集中した設計になってるんですよ。 何ですか？これは鉄道模型を走らせる穴です。 えっ？鉄道模型が家の中を縦横無尽に駆け抜けるまさに夢のような設計ですよ。 結婚生活の間旦那さんは鉄道模型の趣味は持っていませんでした。 その話は虚偽じゃないんですか？木村さんはずっと鉄道模型が好きだった。
そんな固定観念が女と一緒に暮らすはずだなどという邪推を生んだんですよ。 固定観念？いくら自分がそうだからってねそういう主観は排除してこの場に立っていただきたい。 ごく一部です！異議あり！裁判長原告代理人は１人が嫌だという個人的感情をぶつけています。 それと原告代理人は冷静に。 質問はまだ続きますか？旦那さんは好きな模型の趣味を我慢して寂しかったでしょう。 それは質問ですか？しかし相手の弁護士さん面白い人でしたね。 ふっすぐに感情的になってどうなんですかねあれは弁護士として。 弁護士も人ですからはははっ。
ゆみは留学して何になりたいの？うん？私自分でお金を稼げる人間になりたいの。 何ですか？私長野の母の事務所を引き継ぐことになりました。 仕事セーブすればいいのに自分を頼ってくる依頼人を断るわけにはいかないって言い張るし。 東京にだってまどかさんの依頼人がいるでしょ。 会えなくなるんですか？いや長野と東京なんてね新幹線で１時間ちょっとよ。 自分がいつも行くコンビニで知り合いを見かけると自分のテリトリーが侵食されたような気分になりませんか？なりません。
それに東京一極集中は問題ですがははっあなた１人が帰ったところで焼け石に水ですよ。 あぁ〜あの最初からだとまどろっこしいんで東京一極集中あたりからいいですか？何ですかそれ。 ん？映画のチケットが２枚あるんですが行きませんか？映画？アクションものですか？ただのアクションじゃないんですよ。 敵味方が入り乱れて時空を越えて人工知能を奪い合う話です。 桑野さんの解説付きですか？えっ？予習と復習懇切丁寧な。 あっこれハリウッド映画ですか？これはねフィンランド映画です。 フィンランド？大丈夫です僕が全部説明しますから。