名奉行 大岡越前1 #10

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当時町奉行にとって最も重要な務めは治安の維持であったが忠相は物価対策にも力を注いだ忠相の経済改革はまず米薪炭塩そして油といった生活必需品の価格を抑えることから始まったではご老中は手前のやり方にご異存が?改革そのものが悪いとは申しておらん。

え?直参旗本岡野格之進の屋敷に勤める渡り中間で名は辰造。 ところでお奉行一体誰がそのような知らせを?ん?うーん…。 岡野家用人田口左内でござる。 その方南町奉行内与力というからには大岡越前の手の者だな?いえ決してご当家にご迷惑は…。 よいかご老中安藤対馬守さまは私の叔父上だ。 それは怪しからんな!何しろ我々勘定方の者たちは常日頃から幕府の利益を考えぬ越前どののやり方に苦言を呈して参りましたゆえ…。 笹倉さま!笹倉さまお奉行が謹慎になられたそうです。

さあ…!やっぱりダメ…?さくら!お奉行は一体どこへ行ったんだろう?どこにおられるか皆目見当も…。 「ご当家中間辰造儀重き罪を犯せし疑いこれあり」「南町奉行所にて召し捕り候。 間違いなくお奉行はお役宅で謹慎を…。 ええーい!お待ちくださいませ!どけ!どかぬか!!そこまで仰るのならばお奉行へご用向きのほどをお伝えして参りましょう。 笹倉さま一体どういうおつもりです?お奉行を連れてくるなんて…。 お奉行の帰りを待つばかりか。

その方はお春を殺害したのみならずあえてこのたばこ入れをお春の死体の横に置き去り吉太郎を下手人に仕立てようと図ったのだ。 新次郎…。 お願いにございますお奉行さま!どうか兄の罪をお見逃しください!兄は山崎屋の大切な跡取りでございます。 新次郎…お前はそこまで私のことを。 新次郎すまねぇ!私のために辛い思いをさせてしまって…!兄さん!裁きを申し渡す。 よって吉太郎に江戸払いを命ずる。 新次郎兄の分まで孝行を尽くすがよい。