お奉行勾引かされた義兵衛の女房のお幸と倅の平吉です。 義兵衛を勾引かした者に心当たりはないか?ございません…。 お奉行義兵衛は商い一筋の真面目な男。 投げ込んだ奴がまだ近くにいるかもしれん!「義兵衛を無事に返して貰いたければ明日午の刻九つお咲に三百両を持たせ富岡八幡宮境内に寄越せ」明日午の刻富岡八幡宮境内…。 三百両だなんて…おっ母さん!冗談じゃない!!三百両なんか出せませんよ!女房と倅は義兵衛を助けたくないのか?お幸はこの玉扇堂の一人娘でして義兵衛は入り婿なのでございます。
ねぇ旦那一杯!旦那…お武家様ってのはどうしてすぐに腹切れなんておっしゃるんでしょうねぇ。 …訳?殿の大切な刀を研ぎに出すように命じられうつけ者!刀を捜し出せぬ時には三百両の弁済をしろ!それが叶わぬなら…切れー!!腹を切って詫びるがいい!私に出来る事は…辻斬りでもして金を集めるしかなかった。 え…?源助…酒井帯刀に弁済した三百両は玉扇堂主・義兵衛を勾引かして脅し取った身代金だな。 それでいいのか?旦那…貴方様は一体?池田本日白州を開くは真か?はい。