お七里が来るぞーっ！このころ徳川御三家の一つ紀州藩は江戸との迅速な情報交換を目的として東海道筋十三か所におよそ七里ごとの中継地点を設置していたお七里とはその中継地点七里役所に配備されている飛脚のことであるどけどけーっ！お七里には特別な権限が与えられ通行を妨げる者に対して斬り捨て御免が許されており一般庶民はかかわりあいになることを恐れた嫌ーっ！うぁーっ…！嫌ーっ！！おたき！おたき！おたき！おたきーっ！お役人様に訴え出ましたが相手が紀州様お抱えのお七里ではどうすることもできないと…！あんなひどいことをしておき
紀州藩お目付け岡村右京様だ。 …で彼奴らの動きは？矢形源一郎以下全員今度の計画に全く気づいておりません。 明日公儀へ送る書状を由比のお七里役所へ運ぶ役目は返上することだ。 あの人が…？でもだったら…どうしてあのとき三行半を！？あの人を憎んで…憎み続けて…！お前さん…！お前さんっ！お前さんっ！来たぞ！全員そろったな？それじゃあとは手はずどおりお目付け様とあっしで本物の書状を…。 …子連れ狼！この素浪人が子連れ狼だと！？これは…！本物の書状は今ごろ他の人間の手で由比ヘ向かっていよう。