相棒セレクション 相棒7 #17

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あの…二日前東都芸術大学の詩の朗読会で亡くなった安原さんのことなんですけど…。 安原君は自殺なんてしません!ちゃんと調べてください!状況から見て他殺の可能性はないと判断したんです。 時創舎っていう小さな出版社で編集アシスタントをやっています柘植瑛子です。 城戸先生は詩人としての活動の他東都芸術大学で准教授として詩を教えてるんです。 安原さんが亡くなったときの状況を順を追って話して頂けますか?その日は城戸幸四郎ゼミの学生たちによる卒業朗読会でした。

五十嵐孝介先生の話だと安原慎一さんは最近詩を作るのにひどく悩んでいたようです。 ひとつよろしいでしょうか?安原さんは巻物を掲げて…。 巻物を開いたときの安原さんの様子が変だったとあなたは感じた。 安原さんの担当編集者…。 どなたが座っていらっしゃったかおわかりですか?五十嵐孝介先生と…城戸幸四郎先生です。 今回の朗読会安原さんは紙に書いた詩を詠み上げたそうですねぇ。 しかし安原さんの巻物は白紙でした。 だとするとなぜ安原さんは白紙の巻物を開いたのでしょう?あ…杉下さん!社長。

五十嵐先生か城戸先生なら毒を入れられるんです。 めったなことを言うんじゃない!五十嵐先生ですが安原さんを自宅に住まわせていたそうですねぇ。 五十嵐先生はもうじき文化勲章を受けるらしいです。 安原君が詩作を始めるきっかけになった女流詩人が7年前に自殺してるんだ。 7年前梅津朋美は詩壇の賞を総なめにして新人の君の詩を盗んだというのかい?でもこれは…私の言葉なんです。 五十嵐先生は7年前に自殺なさった梅津朋美さんをご存じですよねぇ?先生の詩を盗作したとして詩壇から追放された詩人です。

「祈りとともに吐く息は静かに舞い上がった」「それは闇にたなびく天の川となる」「それは闇にたなびく天の川となる」まったく同じです…!安原君は7年前に朋美さんが盗作したとされる五十嵐先生の詩を詠んでたんですね。 しかも五十嵐先生の目の前で…。 そもそもなぜ安原さんは梅津朋美さんに因縁のある五十嵐先生の自宅に住もうとしたのでしょうねぇ。 安原君は五十嵐先生だと思った。 それでノートを見つけるために五十嵐先生の家に下宿したんですよ。

五十嵐先生と城戸先生が7年前の盗作をお認めになりました!あの二人が…認めたんですか!?梅津朋美さんの作品ノートがこのような証言がありました。 安原さんはご自分が自殺ではなく他殺だと思わせる仕掛けをしその容疑が城戸先生に向くようにしたんです。 あなたはこの詩集を手がけたとき城戸先生が7年前の盗作事件に絡んでいること…。 あなたのおっしゃるとおり作品ノートを処分されてしまっては自殺しようとしていることを知ったとき城戸先生が梅津朋美さんの作品ノートを奪いその言葉を五十嵐先生に渡したことを話しました。