なんてこった…!「たった今入ったニュースです」「国立微生物研究所の高度安全実験室で研究員が1名死亡した模様です」「詳しい事はまだわかっていません」「現在警察が入って調査中との事です」「続報が入り次第お知らせします」すいませんね予備は2着しかないもので。 BSL4実験室は天然痘やエボラなど危険極まりない病原体を扱う最高レベルの実験施設です。 東大医学部を卒業後米国ワシントン大学でバイオ研究を修めたのち帰国後は東大医科学研究所ウイルス感染分野で助手を務め再び渡米。
いわゆる空気感染だそうで正確には飛沫核感染というんだそうですがようするに極めて感染力が強く場合によっては十数メートルの範囲が感染圏になってしまうような防御の難しいウイルスだそうです。 ゆうべ9時すぎだったと思うんですけど小菅が1人で実験室へ入っていくのを見かけてちょっと嫌な予感がしたもので…。 嫌な予感?数日前小菅が気になる事を言ってたものですから…。 小菅が実験室に入って行きました。 で後藤さんは小菅を追いかけて実験室へ入ったわけですね?そうです。
外見はマールブルグ出血熱のウイルスですがその毒性は数百倍と考えられます。 ニューヨーク州立大学の科学者たちが自然界のものと事実上同一のポリオウイルスを合成したと発表していましたね。 ええ実際ポリオウイルスを合成したのもペンタゴンが研究資金を提供したそうです。 ペンタゴンが!?殺人微生物が本当に研究室で1から作りだせるものかどうか確かめたかったそうですよ。 そもそもこのウイルスの元になったマールブルグ出血熱のウイルス株をそれを稼動出来ないままなんて…。
ウイルスパニックを再現しようという事ですか。 「知ってるだろ?日本じゃいまだレベル4の実験室を稼働させてないんだぜ」ないなら仕方ない。 いいか!お前がテロリストの真似事なんておこがましいぞ。 なんだとこの野郎!これ以上話してたら場所を特定されちゃうね。 クッソ!「おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか…」電源切られましたすいません。 断続的にキャッチされた携帯電波の状況から小菅は依然として都内に潜伏していると思われます。 最後の発信は品川の基地局からで以降携帯による発信はありません。
くっ…!つぶすぞ!あなたは持ち出したウイルスでうわっ!ぐっ…!そろそろ…かな?亀山君!止めてください!ははい!うわぁ!ああ!ウイルスが!まずいぞ!どいてくれ!いやいや…!まずいです!まずいです!もうこれはこれはまずいです!だけど俺たちが今やらなければいけない事はここを逃げ出す事ではなくここを密閉状態にする事です!何言ってんだよ!とにかく出ないと!無理だ!感染するぞ!我々は!我々は警察官です!今出れば間に合うんじゃないですか!?駄目です!駄目です!大変強力なウイルスだと聞いてます!この部屋は汚染されました。
「現在応急処置をほどこしている最中です」「まぁどれほど効果があるかわかりませんが…」NBC部隊があと数分で到着しますからあとは専門家に任せるしかありませんな。
本当はもう1着防護服を入手出来れば安全を確保出来るのですが防護服を抱えていては怪しまれますから君が着て入る1着でやってもらわなければなりません。 なんとかして検査結果を陽性だと報告してください。 余ってる防護服ありますかね?もし杉下警部の判断が間違っていたとしたら…。 いいですか?彼にこの防護服を着せます。 彼に何か注入したやつはこれと同じ防護服を着てたんですよね?ええマスクで顔は確認出来ませんでしたが…。 この番号?間違いありません!この防護服を着てた人間が彼に注入したんですよ!いや着てたやつって…。
同じく世間に公表出来ないとしても自衛隊ならば軍事機密というベールの陰で必ずあれを役に立てるはずだ。 本物のウイルスの出所は自衛隊で間違いないんですか?間違いありません。 どこの部隊だ!彼は予備自衛官である事が判明しました。 予備自衛官?普段は一般社会で仕事をしながら有事の際には召集されて後方支援を行う自衛官の事ですよ。 退職した自衛官が対象になり本人の志願によって予備自衛官として採用される事になります。
だって僕のウイルスは偽物だったんだろ?ですからあなたのウイルスでは発症していません。 って事はどこか別の所からウイルスが出現した?あなたの真の目的どおりそれを炙り出す事に成功したんですよ。 どんな?稼動してないはずの実験室で生まれたウイルスだよ?この世には存在しない子。 ああっ!ああっ!よせ!ちょっと待て!そのあとあいつはそれが発覚しないように危険なウイルスは処分すべきだって所長に進言したんだ。